2010年12月14日

04.文化・くらし

オペラ歌手の久保さんが「会場審査員特別賞」など受賞

賞状を手に 「オペラをもっと身近に感じてもらいたい」 と久保さん

賞状を手に 「オペラをもっと身近に感じてもらいたい」 と久保さん

15年前の第1回から毎年和歌山市民オペラに参加。 茶目っ気たっぷりの表情と演技で会場を沸かせてきた。 真骨頂はコロラトゥーラソプラノ。 技巧的に華やかに装飾された旋律を、 美しい高音でコロコロと転がすように自在に歌い上げ、 鮮やかな印象を残す。

昨年は初のソプラノ・リサイタルを開き、 県内外でのコンサート活動も活発。 「ことしは自分の持ち味を考える1年になりました」 と話す。

6月の第22回宝塚ベガ音楽コンクール声楽部門で、 最も印象に残る演奏をした人に贈られる会場審査員特別賞を受賞。 「一番名誉な賞と思っています。 客席のお客様に楽しんでいただけるステージをつくりたいというのが信念ですから」 と。

そして10月の第11回大阪国際音楽コンクールでは、 コロラトゥーラの代表曲を歌い、 声楽部門オペラコースAge―G第2位を獲得した。

◇ ◇

3人の恩師がいるという。 音楽大学進学など考えてもいなかった星林高校1年の冬、 「やりたいことを見つけて大学に行きなはれ」 と肩を押した貝加寿代さん。

「あなた、 オペラ歌手にならなくちゃダメよ」 と発声を基礎からていねいに指導した多田佳世子さん。 多田さんは 「美声だけでなく音楽的感受性が豊かでとにかく勉強熱心。 歌が本当に好きなんですね。 舞台に立った時の幸せそうな顔は教師冥利 (みょうり) です」 と語る。

もう一人は 「世界に羽ばたかなくちゃダメよ」 と歌の世界の広さ、 厳しさを教えた齋木幸子さんだ。 「常に人との出会いによってチャンスをいただいた。 多くの方々との出会いが私を育てくださった」 と振り返る。

さらに、 「みゆきおねえさん」 と慕ってくれるかわいい子どもたちも。 ピアノの南なほきさんと幼稚園や小学校でコンサートを定期的に開催。 その子どもたちが花模様のドレスをまねて作り、 「コンサートごっこ」 をしていると知った。 そのコンサートごっこの写真や子どもたちから届いた絵は 「大切な宝物」 とほほ笑む。

来年も多彩な活動が待つ。 「歌は人の声。 人間の中身が全部出ます。 音楽だけではなくいろんな分野で成長し、 それを音楽に向けられたら」 「歌を聴いて元気になったと言ってもらえたらうれしい。 心に響き、 全身で聴いてもらえる音楽を目指したい」 (千)





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