2011年06月13日

04.文化・くらし

湊御殿の写しだった? 旧中筋家住宅を解説

湊御殿 旧中筋家住宅を解説

写真を見せながら旧中筋家住宅について話す御船さん右

主屋など6棟が国の重要文化財に指定されている和歌山市禰宜の旧中筋家住宅で12日、県文化財センターの御船達雄さんの講演会 「旧中筋家住宅の建築とその修復」 が開かれた。約50人が参加し、御船さんは、同住宅が紀州徳川家の湊御殿などと同じ造形であることから 「大庄屋としての権勢が現れている建物」 などと説明した。

同住宅は、屋敷地が南北約57メートル、東西約40メートル、敷地面積が約2200平方メートルある。主屋は瓦の調査で嘉永5年(1852)に建てられたことが分かっており、入母屋造と寄棟造を組み合わせた複雑な形状の屋根が特徴。平成12年2月から昨年3月までの約10年間、修復工事が行われ、同年8月から一般公開している。

御船さんは10年間、修復工事の担当者として活躍。講演では工事について「柱を残したり、手縫いの畳を使うなど、できるだけ同じ材料を使って一つひとつ丁寧に行った」 と話し、 「この住宅はただ単に大きな農家という家ではなく、今でいうところの支所としての機能を持っていた」 と説明。

屋根瓦には、通常の瓦より2割ほど高価で見た目がきれいな 「丸桟瓦」 が使われているといい、「紀州藩の御殿建築にも使われているのがこの瓦。住宅の造りを比べると、湊御殿の『写し』 だったのではないか。できた当時は珍しく、紀伊国名所図会にも旧中筋家住宅と思われる建物が描かれていたりする」 と話した。





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