10日に皆既月食 11年ぶりの好条件

皆既月食
平成12年7月の皆既月食 (みさと天文台提供)

 月の欠け始めから終わりまでの経過が楽しめる最高の条件が整った「皆既月食」が10日午後9時45分ごろから、天候に恵まれれば全国各地で肉眼で観察できる。紀美野町松ケ峯のみさと天文台では、午後9時から翌日午前1時半まで、特別観望会を開く。予約不要、無料、途中入退場自由。全過程が観察できる皆既月食は平成12年7月以来11年ぶりといい、運が良ければ「ふたご座流星群」の一部も楽しめるなど、幻想的な天体ショーになりそうだ。

 皆既月食は、 地球の影の中に月がすっぽりと入ることで起こる現象。 これまでみさと天文台が開いてきた観望会では、 3回連続の悪天候で残念な結果に終わっていたが、 今回は和歌山地方気象台の予報によれば、 「曇り時々晴れ」 と期待が持てそうだ。

 午後9時45分ごろから部分食が始まり、 午後11時5分ごろに皆既食になり、 赤黒い色の月が見える見込み。 これは太陽光が地球の大気によって屈折し、 散乱しにくい波長の光だけが月面を照らすためといわれている。 皆既食は58分ごろまで、 部分食は11日午前1時18分ごろまでそれぞれ楽しめるという。 見える方角はほぼ真上。 望遠鏡や双眼鏡があればなお良いが、 肉眼でも十分に観察できる。

 また、 14日夜から15日未明にピークを迎える 「ふたご座流星群」 の一部も運が良ければ観察できる可能性がある。 特に皆既月食の間は、 月の明るさが暗くなるためチャンスという。 国立天文台によれば、 次に皆既月食の全過程が日本全国で見られるのは、 平成30年1月31日になる見込み。

 また、 みさと天文台友の会では、 観察者の寒さ対策として、 遊び心たっぷりの限定うどんも販売。 うどんは、 半分にしたゆで卵を入れ、 地球の影に見立てたのりと雲を表現した天かすを使用。 月食をシミュレーションしながら食べてもらう。 50食1杯300円で販売する予定。 問い合わせは、 同天文台 (℡073・498・0305、 FAX073・498・0306)まで。

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