一つの部屋で安心のお産 日赤和歌山医療センター


分娩台は自由に移動でき、 部屋からの眺めもいい

 日赤和歌山医療センター(和歌山市)産科病棟では、 昨年5月の本館建て替えに伴い2室新設した、 陣痛から分娩(ぶんべん)、 回復までを一つの部屋で過ごせる 「LDR室」 が好評という。 出産に対するさまざまなニーズが高まる中、 自由なスタイルで出産できることや、 痛みなどが強い時に移動することなく、 ゆとりや安心感を持って出産を迎えられることが関心を呼んでいる。

 LDRはLabor(陣痛)、Delivery(分娩)、Recovery(回復)の頭文字を取った略語。 妊産婦それぞれのニーズに合った看護を提供しようと、 従来の分娩室に加えて設けた。 部屋の広さは36平方㍍と41平方㍍。 暖色系のソファやアクティブチェア、 テレビなどがある。 さまざまな体位での出産に対応できるように、 LDR専用の分娩台の他、 畳が敷かれた小上がりを完備している。

 同センターの昨年5月からことし5月末までの1年間の全分娩数は940件。 うちLDR室の使用は41件。 第二産婦人科によると、 利用者から「家族と一緒に分娩を迎えられて良かった」や「上の子から 『お母さんありがとう』 と言ってもらった」 などの声があり、 徐々に利用件数が増えてきているという。

 同科の吉田隆昭部長(51)は「一人ひとりの思いに対応しようとできた部屋。 快適かつ安全なお産を目指しています」と話している。 LDR室の使用料は分娩1回につき5万円。 問い合わせは同センター(℡073・422・4171)。

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