川で溺れた男児救う 和歌山市の2人に感謝状


感謝状を手に大屋さん㊨と上段さん

 和歌山市松江北の新堀川で溺れた子どもをロープで助けたとして、和歌山市消防局(林正義消防局長)は7日、現場近くに住む大屋俊実さん(64)と上段秀夫さん(65)に感謝状を贈った。林消防局長は「救助しようと川に飛び込み溺れる事故もある中で、適切な措置をしていただきました」と市民の活躍に感謝した。

 8月3日午前11時半ごろ、小学2年生の男児が川に転落した。男児の兄が「誰か来て」と大声で助けを求め、自転車で通り掛かった大屋さんが溺れる男児を発見。大屋さんはパニックに陥った男児に「もうすぐ助けがくるから、落ち着いてじっとしとき」と自ら飛び込む準備をしながら男児を励まし落ち着かせた。

 川は水深約2㍍、幅約30㍍、水面から堤防までの高さ約2㍍。自宅で男児の兄の声を聞いた上段さんは現場を確認し、ボーイスカウトで使うロープを取りに戻った。2つの輪をつくって川に投げ込み、男児に両脇に掛けさせて大屋さんと一緒に引き上げた。転落してから5分ほどの出来事だった。

 男児はリュックサックを背負っていたため、その浮力でなんとか浮いていたという。感謝状を受け、大屋さんは「とにかく子どもが助かってよかったです」、上段さんは「お兄ちゃんが必死に叫んでくれたので気付けました」と当時を振り返った。

 市消防局によると、水難救助に関する感謝状を贈ったのは2年ぶり。おととしは3件あった。

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