子どもが犯罪のターゲットに 音楽プレーヤーにも注意

身近な音楽プレーヤーからも危険が忍び寄っている(円内は機器に搭載されたカメラ)
身近な音楽プレーヤーからも危険が忍び寄っている(円内は機器に搭載されたカメラ)

 日々進化する携帯音楽プレーヤー。通信機能付きも普及するなど便利になる一方で、子どもが使い方を誤れば犯罪に巻き込まれる危険性が高まっている。同機器をインターネットに接続すると、スマホなどとほぼ同じ機能になることから、県警少年課は「保護者にもその危険性を知ってほしい」と注意を呼び掛けている。

 先月末には、女子小学生に通信機能付携帯音楽プレーヤーのカメラ機能を使って、わいせつ画像を撮影させ、画像を送信させたとして大阪府堺市の契約社員、男(31)が児童ポルノ法違反で逮捕された。

 男は、若者が好むアバター(分身)ゲームアプリを利用し、女児に接触。撮影させたわいせつ画像を送らせたという。男は県警の調べに対し「約300人とメールのやり取りを行い、女子5人ほどに、わいせつ画像を送らせた」と供述している。

 女児が使用していた音楽プレーヤー「iPod touch」は、音楽再生機能の他、高性能カメラを搭載。電話機能はないものの、専用アプリを使えば、携帯電話と同じように通話が可能になる。この他、通信機能付きゲーム機でも同様の機能を持ち、過去には女児が狙われ被害に遭うなど事件が後を絶たない。

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 県教委学校指導課は、通信機能付き機器普及による危機感の高まりから、各学校を通じて保護者などに一定のアクセスをブロックする「フィルタリング」設定を推奨している。しかし、「使いたいアプリが使えない」など子どもから反発があり、設定を躊躇する親もいるという。また、機器を使用する子どもたちにも「自分は犯罪に巻き込まれない」との過信が存在しているという。同課では、子どもたちに通信機能付き機器の使用を禁止することは現実的ではないと判断し、機器とうまく付き合うことを掲げ、子どもたちが犯罪に巻き込まれないように指導や啓発の対策を進めている。

スマホ安全セミナー 青少年のスマートフォン利用に関するセミナーが12日午後2時から、和歌山市伝法橋南ノ丁の和歌山市民会館市民ホールで開かれる。
 スマホ連絡会(近畿)などが主催。内容は「スマホの問題は心の問題」をテーマに兵庫県立大学環境人間学部の竹内和雄准教授の講演や「青少年の安心・安全なスマートフォン利用のために、大人ができること、すべきこと」のテーマでのトークセッションもある。定員は150人。無料。問い合わせは同連絡会事務局(℡06・6942・8512)。

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