10年ぶり全国大会へ 障害者野球「ヤマト和歌山」

ヤマト和歌山のメンバー(後列右から3人目が楠木代表、その前が岡本さん)
ヤマト和歌山のメンバー(後列右から3人目が楠木代表、その前が岡本さん)

 県内唯一の身体障害者野球チーム「ヤマト和歌山」(楠木祥瑞代表、15人)が、この春10年ぶりに出場する選抜全国大会(神戸市)に向けて猛練習に励んでいる。監督兼選手の楠木代表(47)は、「部員の多くは和歌山から出る機会が少ない。遠征試合が、多くの人とふれあう機会になれば」と期待を込めている。

 大会は日本身体障害者野球連盟、同市が共催し22回目。5月17、18の両日、ほっともっとフィールド神戸で開かれる。前年秋の地区予選成績を基に選抜された14チームと、普及枠2チームの計16チームが出場する。

 ヤマト和歌山は昭和59年創部で、30年の歴史あるチーム。今回は近年全国大会から遠ざかっているチームの活性化を図るため、普及枠に選ばれた。新キャプテンの岡本健作さん(22)は「まずは一勝を挙げたい。そのためにはとにかく練習です」とやる気を見せている。

 身体障害者野球は体にハンデを抱えている人がプレーできるように「盗塁は禁止」「バントは基本不可」など、ルールや道具が工夫されている。

夢は大きく日本代表
 同チームは、県立和歌山高校1年生だった楠木代表が障害のある親友と共に、同校体育課教諭だった山口裕市さん(元県教育長)に「野球がしたい」と訴えて立ち上げた。当時、身体障害者が入れるチームは県内になかったという。

 現在、創部から残っている部員は楠木代表1人で、「まず一年続くことが目標でしたが、気が付けば30年たっていました」と笑顔。「夢は日本代表に選ばれて、侍ジャパンと同じユニホームを着る選手がうちのチームから出ることですね」と語った。

 新入部員を募集中 同チームは新入部員を募集している。条件は身体障害者手帳所持者であること。年齢、性別は不問。

 毎週日曜午前9時~午後1時、和歌山市西浜の水軒グラウンド(赤橋手前)で練習している。

 事務処理をしてくれるボランティアも募集中。連絡は楠木代表(℡090・1676・9048、メールyamatowakayama@docomo.ne.jp)へ。

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