グループホーム建設を くじら作業所


手話を交えた人形劇が演じられた

くじら福祉会障害福祉サービス事業「くじら共同作業所」(和歌山市六十谷、白藤令所長)は、2年前から利用者の生活の場としてのグループホーム建設資金を集めるためのチャリティー活動を行っている。1日は県民文化会館で、耳の聞こえない人と聞こえる人が一緒に創作活動をしている人形劇団「デフ・パペットシアター・ひとみ」を招いて、手話を交えた防災人形劇「稲むらの火」を公演した。

同劇団は、神奈川県を拠点に活動。聴覚に障害のある子どもたちに、防災意識を高めてもらおうと、平成20年から「稲むらの火」の公演を始め、全国のろう学校107校で公演している。

劇では、6人の役者が語りと手話で演じ、日ごろからの心掛けや、防災に対する知識を伝え、訪れた約150人の観客を引きつけた。

同作業所は、聴覚障害者の働く場所としてスタートし、現在、21歳から65歳までの22人が利用している。利用者の平均年齢は50歳近くなり、利用者や家族の高齢化も進んできている。同作業所は、障害のある人が高齢になっても安心して暮らせるようにと、グループホームの建設を計画し、手話落語や音楽会などを開き、資金を集めている。

白藤所長は「作業所のメンバーの年齢が高くなってきている。障害があっても老後を楽しめる生活の場が必要。今まで県民の皆さんに助けられてきた。もう一度、皆さんに助けていただきたい」と思いを話していた。

公演には和歌山アゼリアロータリークラブ(井上晴喜会長)が協賛。資金面だけでなく、受け付けなどの人的な面からも支援した。井上会長は「限られた予算の中での支援。ご縁があって出会えた。お金だけでなく、実際に伺って体を使うことでお手伝いできれば」と話していた。

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