二宮尊徳の本当の偉大さ 7代目子孫語る
各地に銅像が建てられ、勤勉の象徴として広く知られる江戸時代後期の農政家、二宮尊徳(金次郎)の七代目の子孫に当たる中桐万里子さんが3日、和歌山市七番丁のモンティグレ(ダイワロイネットホテル和歌山)で講演し、尊徳が生涯で重きを置いた、日々の小さな気付きの大切さなどを語った。
㈱和歌山印刷所(本社=同市狐島、小島治社長)の創立70周年式典での記念講演として行われ、同社の従業員約60人が聴き入った。
中桐さんは、まきを背負って本を読みながら歩く尊徳の銅像の解釈について「金次郎が大事にしたのは、手に持っている本ではなく、背負っていたまき。働いていることや汗をかく勤労にこだわった」と述べ、さらに「家族からは、像の本当のメッセージは足だと言い聞かされた。どんな時もくじけず、諦めず、足を前に出すことの大切さを教えている」と紹介した。
また、成人した後の尊徳の逸話として、夏前に食べたナスの漬け物が、秋ナスの味だったことから冷夏になると察知し、米の苗から、冷害に強いアワやヒエなどに植え替えるよう村人に呼び掛け、その後の飢饉(ききん)から救ったことを紹介。「ナスの味の小さな変化の発見も、声に出し、行動に移したからこそ人々を救った」と話し、逸話から読み取れる尊徳の教訓を伝えた。
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