球数制限導入の大会 試される市高の投手陣

第93回選抜高校野球大会は19日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕した。和歌山県内からは市和歌山が出場し、52年ぶりに8強入りした2019年春以来、2年ぶりに聖地を踏む。今大会は投手の1週間の投球数を500球以内とするルールのもとで開かれる初の甲子園大会。市高は実力ある投手をそろえ、強豪集う激戦ゾーンで戦う。

市高は小園健太、米田天翼、伊藤晃宏、宮本勇の4投手がベンチ入りする。昨秋はエース・小園に頼る部分が大きかったが、冬場に他の投手が力をつけ、投手陣全体のレベルが向上した。

半田真一監督は球数制限について「晴れの舞台。選手たちには思い切りやらせてあげたい」と複雑な気持ちを示す。選手の故障防止のため日頃の練習から投球過多にならないよう気を付けているとし、「練習で酷使してけがをすることがないよう、練習時の球数を管理することも指導者の仕事だと思う」と語る。球数制限については投手に注目がいきがちだが、野手の球数についても目を配っているという。同校の練習時の球数については「かなり投げない方だと思う」と話す。

昨秋の近畿大会ではエース・小園が初戦と準々決勝を完投。1週間後の準決勝・智弁学園(奈良)戦では、米田を先発に起用した。半田監督は試合後、「この試合に勝てば(翌日の決勝は)連戦になることを考慮した」と話し、小園を体力的に可能な限りベストの状態で投げさせたいとの考えを示した。試合は序盤の失点が響き1―4で敗れはしたが、米田、伊藤の両投手は貴重な経験を積んだ。

市高は大会4日目(22日予定)に県岐阜商(岐阜)と初戦を戦う。同じゾーンには大阪桐蔭、智弁学園、広島新庄、明豊など、甲子園常連校が名を連ねている。優勝には5勝が必要。米田は「強いチームばかりのブロックだと思う。自分が1、2試合は投げ切るつもりでやっている」と意欲的に話している。

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