真心のコアラ募金 智弁小で支援の輪広がる

智弁学園和歌山小学校(和歌山市冬野、渡瀬金次郎校長)は、姉妹校があるオーストラリアの大規模な森林火災で被害を受けたコアラを助けようと、昨年度から「コアラ募金」を行っており、このほど2回目の募金活動を実施した。活動のきっかけとなったのは、1人の児童の「現地のために何かできないか」との思い。助け合いの心は周囲の共感を呼び、温かい真心が国を超えて届けられている。

2019年、森林火災によりやけどを負ったコアラが炎の中を逃げ回る映像を見た、当時4年生の岸本宗一郎君(11)は、自身がこつこつと貯めてきた小遣いの寄付を決意。両親に「2人が仕事で忙しい日、駅から2㌔歩いて下校するともらえる200円を使わずに、貯めてきたお金を全部寄付したい」との強い思いを伝えた。まずは近所で募金活動を始めた後、同校でも「思いやりの心を募りたい」と、校内募金の提案書を提出し、昨年2月に1回目の募金活動を行った。

岸本君の思いに賛同した児童ら5人と共に、3日間で児童や教職員、保護者らから集めた募金は30万円を超えた。当初、就学旅行でオーストラリアを訪れる6年生に募金を手渡してもらう予定だったが、新型コロナウイルスの影響で実現できず、姉妹校に送金。

姉妹校のコーニッシュカレッジの児童らが、被害を受けたコアラの治療やリハビリを行うヒールズヴィル・サンクチュアリに届けた。募金は、コアラをはじめ野生動物のリハビリに充てられ、治療を受けて元気になった一匹のコアラには、岸本君の名前を取って「宗一郎」と名付けられたという。

来年度も引き続き募金活動を行うという岸本君は「オーストラリアの森林火災は、地球温暖化による異常乾燥が原因なので、ことしは『ストップ地球温暖化、脱プラスチック生活』をスローガンに募金活動を続けていきたい」と強い気持ちを新たにしていた。

自身がデザインした募金箱を手に岸本君

自身がデザインした募金箱を手に岸本君

関連記事

同じカテゴリのニュース一覧