新たな「時」動き出す りら高の大時計修繕
和歌山県紀美野町真国宮のりら創造芸術高校(山上範子校長)は、動かなくなっていた同校内にある大時計の修繕を完了させ、「時計再始動式」を行った。止まっていた“時”が再び動き出し、会場は喜びに包まれた。
同校は、廃校になった旧真国小学校の校舎を使い、舞台芸術を中心にした特色ある教育を実践する普通科高校。大時計は校舎の上部にあり、東側にある運動場から見ることができる。開校した2007年には動いていたが、老朽化に伴い14年に止まってしまっていた。
大時計を動かす親時計が製造中止になっている機種でメンテナンス期間も過ぎていたため、手付かずの状態だったという。
保護者や地域住人が「学校の時計が動かず寂しい。先延ばしにせず今やろう」と意気込み、ことし7月、同校の保護者会や同校後援会のりらサポーターズらが、時計再始動プロジェクト実行委員会(佐々木康行会長)を立ち上げ、保護者らはバザーや募金活動を通じて、修理費用約30万円を集めた。
式では、在校生や卒業生、保護者、地域住民など110人以上が見守る中、正午に合わせて再び時計が始動。分針が動き拍手や歓声が湧いた。在校生によるタップダンス演技も披露され、会場に花を添えた。
佐々木会長は「同じ思いを持って熱く取り組むことの素晴らしさを生徒に伝えたかった。再始動のために協力してくださった皆さまありがとう」とあいさつ。
大時計の見える場所に住む栃谷宜呂さん(89)は、「毎朝『おはよう』と時計にあいさつするのが日課だった。再び動き出してうれしい」と笑顔。久しぶりに持ち出したという骨董(こっとう)品のカメラを手に、再始動の瞬間をフィルムに収めていた。
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