緩やかな持ち直し続く 財務事務所経済情勢

和歌山財務事務所は、2023年1月判断の県内経済情勢報告を発表。総括判断は前回の22年10月と同じ「緩やかに持ち直している」とし、項目別の判断でも、主要3項目の個人消費、生産活動、雇用情勢に加え、設備投資、企業収益のいずれも据え置きとした。

情勢報告は、個人消費や設備投資など9項目の基調判断を総合して総括判断を行っている。

個人消費の判断は「緩やかに持ち直している」。百貨店・スーパーは、飲食料品の値上げによる商品単価の上昇などから売上が増加し、コンビニエンスストアは、観光地の店舗を中心に売上が増加。ドラッグストアの売上は堅調に推移し、家電大型専門店は横ばいとなっている。

生産活動は「持ち直している」。機械工業では、生産用機械で部品供給制約の緩和により生産量が増加するなど、全体として持ち直しの動きが続く。化学工業は家庭用製品の需要が堅調。鉄鋼業はエネルギー関連製品の需要が増加している。

雇用情勢は「持ち直しつつある」。有効求人倍率はおおむね横ばいで推移し、新規求人数(季節調整値)は9~11月の平均で6000人を超えるなど、高い水準にある。

企業からは、「来店客数、買い上げ点数は減少しているが、値上げにより商品単価が上昇しているため、全体の売上は微増」(百貨店・スーパー)、「半導体などの部品不足で自動車メーカーの生産が低調なため、関連部品の受注は低調。想定していたより戻りは悪い」(輸送用機械)、「賃金を引き上げたが、扶養控除を意識して勤務時間を減らす社員もおり、人手不足に拍車がかかっている」(飲食店)などの声があった。

先行きについて和歌山財務事務所は、ウィズコロナのもとで各種政策の効果もあって持ち直していくことが期待される一方、金融引き締めの中、海外経済の下振れが景気の下押しリスクとなっていると指摘。「物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響や中国における感染拡大の影響に十分注意する必要がある」としている。

 

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