伏虎リハビリテーション病院 新築移転

伏虎リハビリテーション病院

 

広々としたリハビリ室

 

 

「このまちの医療コンシェルジュ」

 

医療法人匡慈会伏虎リハビリテーション病院(和歌山市屋形町)が同市畑屋敷東ノ丁に建設を進めていた新病院の建物が完成し、4月1日に移転する。新病院では、新たに膝の軟骨再生療法を始める他、美容皮膚科にも力を入れ、これまでと変わらぬ情熱のリハビリ・安心の緩和ケアで「このまちの医療コンシェルジュ」として人々の健康と暮らしを守っていく。

 

畑屋敷東ノ丁に新築移転

 

1974年に歯科を母体として誕生した中谷医科歯科病院は2018年、中谷匡登院長が就任し伏虎リハビリテーション病院に名称を変更。今回、建物の老朽化に伴い、新築移転することになった。

新病院は、延べ床面積3672・08平方㍍で4階建てで、全体的に窓を大きく取り、明るい印象。リハビリ室はこれまでの倍の広さとなり、より多くの人の機能回復訓練をサポートする。

27ある病室の4人部屋は、1人に8平方㍍以上のスペースを確保。2人部屋、個室はそれ以上の面積に。病棟でも運動に取り組むことができるよう、廊下のスペースも大きく取った。また、日中はベッドから離れ、活動性を上げてもらおうと2階、3階に談話室を設置。新型コロナウイルスなどの感染症流行時の面会の場として、感染対策を講じ可能な限り対面面会を行う。外出が困難な人にも散歩を楽しんでもらおうと4階屋上には庭園も設けた。

 

円滑に日常生活へ 院内外で連携図る

同病院は整形外科、内科、泌尿器科、リハビリテーション科、皮膚科、血液内科、脳神経外科、循環器内科、リウマチ科、放射線科の常勤医が集う総合病院。病気になってから治すのではなく、病気にならないための体づくりをサポートし「いつまでも若々しく」を合言葉にアンチエイジングを目的に美容皮膚科、自家培養膝軟骨再生療法、栄養外来にも積極的に取り組む。

中谷院長は「高齢化社会が進む今、病院だけで治療を行うのは難しく、病気を治した後に介護や生活がつながり、医療と介護の連携が重要になっている」と話す。

住み慣れた地域や自宅で安心して最期まで生活してもらおうと在宅診療に力を入れ、通常の外来診療と救急医療に加え、24時間365日体制の訪問診療を行い、地域の医療スタッフと多職種や業種の連携により医療から介護、日常生活への切れ目のない地域生活、まちづくりをサポート。

「高齢になると体のトラブルも増える。普段は内科にかかっているが、腰が痛い、尿のトラブルがある、湿疹が出てきたなどのトラブルがあっても、複数の科の医師が往診できるので総合的な医療を提供できるのが強み」と中谷院長は話す。

 

地域や人に寄り添い 「自分らしく」サポート

回復のためのリハビリだけでなく、病気にならないための筋力トレーニング、介護度を上げないために集中して運動をするリハビリ入院など、健康寿命を延ばすための取り組みも行っている。

皮膚科では、外来でシミやしわについての相談が多かったことから、いつまでも若々しくありたいという人のために美容皮膚科を充実させ、美肌や美白をはじめ男女対象の薄毛治療、美容注射など皮膚科専門の医師が丁寧に対応。中谷貴子医師は「今後は提供できるメニューを増やしていく」と意気込む。

同病院は和歌山市から委託を受け、市在宅医療・介護連携推進センターとして地域における医療・介護の関係機関が連携し、包括的かつ継続的なサービスを提供できる地域の拠点ともなっている。

人生100年時代。病院だけで医療が終わる時代ではない。「入院から退院した後もずっと患者さまと関わりを持ち続け、その人が自分らしく生きていくために支え、寄り添っていける病院でありたい」と、伏虎リハビリテーション病院はこれからも全力で挑み続ける。

 

 

多くの人が集える談話室

 

明るい室内

 


 

「ノーマライゼーション和歌山を目指して。」

理事長 兼 院長 中谷匡登

和歌山の地で50年、この度皆様のご支援を頂き無事新病院が完成いたしました事、感謝申しあげます。

和歌山では急速に進む高齢化に対応したリハビリテーション医療が不足し、特に回復期のリハビリテーション医療は不十分な状況です。人はいくつになっても人の役に立ちたい、社会の中で役割をもって生きていきたいと願っています。それが病気になったから、介護が必要になったから、障がいがあるからといって、「自分たちはもう役に立たない」と感じさせるようなことがあるとすれば、とても悲しく寂しいことです。だれもが幸せに暮らせる社会をつくるためには、ノーマライゼーションという考え方がとても重要です。

人間社会には支援が必要な人がいます。ノーマライゼーションの考え方は、地域の中にさまざまな人がいるのが、人間社会として正常(ノーマル)な姿だということです。

パラスポーツの父といわれる、イギリス人医師のルートヴィヒ・グットマンの言葉に、「失われたものを数えるな、残されたものを最大限に生かせ」とあります。年老いても、障がいがあっても、病気があっても、それを恥じ、悔やむのではなく、それを笑顔で抱擁できる「ノーマライゼーション和歌山」を目指す病院として、これからの伏虎リハビリテーション病院をよろしくお願いいたします。

 


 

お肌の身近な相談相手に

理事 中谷貴子

この度、無事に移転の日を迎えることができ、関係各位には心から感謝申し上げます。

旧病院では、お肌の身近な相談相手になれたらという思いで、小さな外来で細々と診療しておりました。新病院では外来も待合も広くなり、車いすの方にも受診して頂きやすくなるので、嬉しく思っております。

当院では、一般的な皮膚疾患からシミ・しわ・たるみ・育毛などの美容まで幅広く対応しております。人生100年時代において、楽しく歳を重ねていくお手伝いができれば幸いです。

外来という小さな間口ですが、リハビリ、入院、在宅医療など広くつながっていることも知って頂き、患者様はもちろん介護されるご家族の日々の不安の解消のお手伝いになればと思っておりますので、何でもご相談下さい。

これからも患者様に寄り添える診療を心掛けてまいりたいと思います。これを機に、初心にかえり地域の皆様に信頼して頂き、必要とされるよう研鑽して参りたいと思っております。

どうぞ新天地でも宜しくお願い申し上げます。

 

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