「唐人」装束で練り歩き 和歌祭をPR

5月12日に和歌山市の和歌浦一帯で行われる紀州東照宮の例祭「和歌祭」を前に、同市栄谷の和歌山大学で16日、留学生が祭りの演目「唐人(とうじん)」の衣装で練り歩き、「唐船」のメンバーが「御船歌(おふなうた)」などを披露した。

同大学内の紀州経済史文化史研究所展示室で、同日から企画展「和歌祭と唐物様―唐船・唐人―」が始まったことから、オープニングイベントとして実施。同研究所の𠮷村旭輝准教授(43)をはじめ、紀州藩御船方ゆかりの「御船歌」をうたい継ぐ有志団体「唐舩御船歌連中」のメンバー6人が「長唄」の「あめふり」などを披露した。

絵巻やびょうぶを基に再現された南蛮風の唐人装束を身にまとった中国、ベトナム、ブラジルなど7カ国13人の留学生が登場し、ことし新調した2着もお披露目された。

唐人行列は、和歌祭が始まった1622年からある演目の一つで、当時のポルトガルやスペインといった外国人の奇抜な南蛮装束が基になっている。

行列は65年の縮小令に伴い断絶していたが、2017年に同大の留学生によって約350年ぶりに復興した。

𠮷村准教授は「鎖国時代に日本人が『外国人が着ている服はこんなイメージかな』と想像して作った装束。400年前の外国人はどういうふうに見られていたのかを実体験できる機会になっている」と企画展をPRし、全員で学内を練り歩いた。留学生は祭りにも参加する。

ウズベキスタン出身のショヒサナムさん(23)は「着るのが難しく、重いけどかわいい」、インド出身のコウシクさん(24)は「インドのサリーと同じぐらいカラフル」とにっこり。

同展では留学生らが着用していた装束や、和歌祭復興の原点となった唐物様(からものよう)の唐船と、23年度に新調した唐人の装束を初披露している。展示は6月7日まで。開館時間は午前10時半から午後4時まで。休館日は土・日曜と祝日、図書館の閉館日。

和歌祭当日の午前11時からは紀州東照宮境内の同研究所ブースで「和歌祭見学会」も開かれる。

 

華やかな「唐人」の衣装で学内を練り歩く留学生

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