特殊詐欺を未然に防止 紀陽銀3人に感謝状

特殊詐欺等被害を未然に防止したとして、和歌山西署は19日、紀陽銀行屋形支店の牧野祥子さん(49)と同行本店営業部副主任の井口広美さん(44)、同店営業部の福島晃子さん(51)に感謝状を贈呈した。

牧野さんは6月14日午後1時10分ごろ、勤務中に60代の女性が携帯電話で通話しながら来店したのを確認。女性が電話をしてATM操作を始めたことに特殊詐欺ではないかと疑い女性に声を掛けた。女性が詐欺について否定したものの話の内容から還付金詐欺であることを確信し女性を説得。その後も女性にATM操作を中止させ、支店長を介して同署へ通報し被害を未然に防いだ。

福島さんは7月27日午後1時10分ごろ、勤務中に50代の男性客が知人女性と共に口座の解約と振込手続きのため来店したのを確認。男性は振込先に外国人の個人名を記入。口座解約をして外国人の個人宛てに振り込みをすることを不審に思った福島さんは男性に事情を聞いた上で詐欺を疑い、井口さんに報告。井口さんが男性から詳細を確認したところ、男性はSNSで知り合った女性からFX投資を勧められ、1万円の利益が出たので金額を大きくしたところ、損失方向に動いたので同日中に指定された口座に入金しなければならないなどと話したという。

井口さんは詐欺と判断。男性を説得して振り込みを中止させ同署に通報し投資詐欺被害を未然に防いだ。

19日に同署で行われた表彰式で森昇治署長から感謝状を受け取った。牧野さんは「表彰を受けたのは初めて。役に立てて良かった」、福島さんは「被害に遭わなくて良かったという安堵感でいっぱい」、井口さんは「一人でも減らせるようにこれからも頑張りたい」と話した。

県警によると、県内の特殊詐欺被害は7月末時点で36件(前年比13件増)、被害額は3444万5107円(同比9829万1613円減)で還付金詐欺が22件(同比22件増)と最も多いという。

感謝状を手に(左から2人目)牧野さん、井口さん、福島さん

感謝状を手に(左から2人目)牧野さん、井口さん、福島さん