塗装プロが伝授 ものづくりマイスター授業
11月16日の「いいいろ塗装の日」を前に、和歌山県立和歌山工業高校(和歌山市西浜、松本泰幸校長)で12日、ものづくりマイスターによる外壁塗装指導が行われ、産業デザイン科の3年生11人が渡り廊下2階の鉄製手すりを再塗装した。
「ものづくりマイスター」は、工業高校や中小企業などにものづくりの専門家を派遣し、実践的な実技指導を行う制度。厚生労働省の「若年技能者人材育成支援等事業」の一環として、9年前から県技能振興コーナーが主催。生徒らは例年6月に塗装の基礎を学んだ後、11月に校舎内の再塗装が必要な箇所を塗装しながら実践的に学んできた。
この日は、同事業が始まる前から10年以上にわたり、同校でほぼ毎年ものづくりマイスターとして塗装指導をしているという、日本塗装工業会県支部の栗原佳宏支部長をはじめ、4人のものづくりマイスターが来校。塗装前の準備段階となる「養生」から「下地研磨」、「下塗り」までを指導し、塗りにくいところからといった「塗る順番」や、塗料がたまらないような「はけ使い」など、大切なポイントを伝えた。
栗原支部長は「毎年センスのある生徒が多い」と話し、「塗装だけでなく、建設業界全体で若い人材が不足している。塗装はきれいになることでやりがいを感じられるので、少しでも体験し興味を持ってもらえれば」と願った。
赤松佑香さん(18)は、「初めての塗装で難しかった。どれだけ重ね塗るのか分からなかったけれど、プロの方に教えてもらえて、とてもいい経験になった。こういう機会を大切にしたい」と話した。
同科の山下弘晃教諭は、「準備や掃除から教わり、仕事の楽しさだけでなく厳しさも分かる授業。昔と違って今は外壁塗装の現場を見る機会がないので、実際にプロフェッショナルが来てくれて間近で見られるのはすごくいい経験になる」と話し、「キャリアの選択肢の一つになれば」と期待を込めた。
この日下塗りした手すりは19日、2回目のものづくりマイスターによる外壁塗装指導で、生徒らが上塗りに取り組む。
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