白浜空港、延伸を前提に 県予算知事査定始まる

和歌山県は18日、2024年度の当初予算編成に向け、岸本周平知事による査定を始めた。特に政策的判断を要する7事業、予算要求額で約123億円分が知事査定の対象となり、24日まで行われる。

初日は、県土整備部の南紀白浜空港(愛称=熊野白浜リゾート空港)利用促進事業(予算要求額約3800万円)から査定が始まり、現在2000㍍の滑走路を2500㍍に延伸する是非を判断するための費用対効果の調査の実施、リムジンバスの実証運行による空港へのアクセス向上、チャーター便誘致をはじめとする誘客の推進などの事業を担当職員が説明した。

岸本知事は、より具体的な事業内容などの説明を求めた上で、「白浜空港は県の空の玄関口、重要なアクセス拠点であり、関係部局や民間との緊密な連携を前提に(予算要求を)認めたい」と発言。さらに滑走路の延伸については、現状の一日3往復の離発着では従来の投資額に見合っておらず、中型機の離発着が可能になる500㍍の滑走路延伸は必要との認識を示し、「延伸を前提にスタートしたい。一日も早く2500㍍にするための調査をしていただきたい」と述べた。

仁坂吉伸前知事時代の知事査定は50件以上の事業が対象となってきたが、岸本知事の就任以降、各部局で優先順位を見直し、重要な事業は早い段階から知事との協議を行うなどし、知事査定の対象事業は大きく絞り込まれている。

24年度の予算編成では、政策的経費について各部局でより効果や必要性の高い事業への組み替えを徹底する「部局マネジメント枠」を設定した上で、予算要求枠をマイナス15%とし、うち5%相当額を上限とした重点施策推進枠を設けるとしている。24年度当初予算案は2月中旬に発表し、22日開会予定の2月定例県議会に提案される。

 

新年度事業の査定を行う岸本知事㊧