雑賀崎の企業が県内初受賞 障害者の人材活用評価


一人ひとりに合った仕事内容で働いている

 女性や外国人、 障害者、 高齢者など多様な人材を活用している企業を表彰する経済産業省の 「ダイバーシティ経営企業100選」 に、 和歌山市雑賀崎の機械部品の製造・加工会社ウインナック㈱ (西芳男社長)が選ばれた。 全国137社が応募し、 43社が受賞。 障害者と健常者の区別なく、 自分たちの能力を発揮し生き生きと働いていることが評価された。 県内に本社を置く企業の受賞は初めて。

「ダイバーシティ経営企業100選」 は、 それぞれの従業員の能力を最大限に発揮できる機会を提供し、 価値創造につなげる経営を行い、 成果を出している企業を表彰するもので、 平成24年度から開始し、 累計100社(予定)を表彰する。

 同社は、 県、 市、 和歌山内燃機㈱(現アクロナイネン㈱)の出資で重度障害者多数雇用企業として同6年に設立。 19年には社員課を設置し、 生活相談員や手話通訳者を配置することで、 社員の相談などにきめ細かく応じる体制を整えた。

 さらに、 リーマンショック後の受注減少といった厳しい経営環境の中、 21年に子会社となる就労継続支援A型事業所・ウインワークス㈱(社長は同じ)を設立し、 雇用確保と技術指導だけでなく、 生活支援も行っていく体制を作り上げた。

 現在、 ウインナックは53人中11人、 ウインワークスは33人中28人 (うち利用者22人) の社員に聴覚・知的・精神・身体障害などがある。 一人ひとりに合わせた仕事内容や働き方が安心感を生み、 中途退職の減少にもつながっているという。

 先月22日、 東京都で表彰式が行われた。 西社長は 「障害のある人が働きやすい会社を作ろうとしてきたことが評価された。 みんなが働きがいのある会社と感じるようにするにはもう少し時間がかかるかも。 みんながもらった賞。 次は働きがいのある会社に向かい、 社員と手を携えて進んでいきたい」 と話している。

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