将来の「医師余り」に警鐘 医大の岡村学長

 講演会「明日のわかやまの医療を考えるフォーラム」が5日、和歌山市紀三井寺の県立医科大学付属病院で開かれ、同大の岡村隆学長が講演し、近い将来の〝医師余り〟の実情に警鐘を鳴らした。

 医療従事者や学生ら約100人が参加した。岡村学長は、平成16年からの10年間で、病院数が9077カ所から8495カ所、病床数が181万床から168万床に減っていることを示し、「近年、病院の経営が苦しくなっている」と人口減少などで医療を取り巻く環境変化を紹介。宮城県で来年4月、千葉県で再来年に医学部が新設されることについて、「このまま医師が増えれば、過剰になるのは目に見えている」とし、国の医師養成政策を批判した。

 地域が直面する医師不足の本質について、「地域間の偏在と診療科間の偏在があり、それを解消しなくてはならない」と強調した。

 この日はその他、同大地域医療支援センターの上野雅巳教授、京都大学医学部付属病院呼吸器外科の伊達洋至教授が、それぞれ医療の現状について講演した。

医師養成政策に危機感を示した岡村学長

医師養成政策に危機感を示した岡村学長