営業再開もにぎわい遠く 休業要請一部解除

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため和歌山県が公共施設や民間事業者に対して行っていた休業要請が16日午前0時に一部解除され、映画館などが営業を再開した。従業員や利用客の安全確保のため自主的に休業していた商業施設の中には最近になって施設の一部で営業を再開したところもあり、客足の回復が期待されるが、感染の収束が見通せない中、客足の回復にはしばらく時間がかかりそうだ。

県は15日に開いた対策本部会議で、体育館や映画館、大学、学習塾などの施設について休業要請を解除した。

和歌山市松江の映画館「ジストシネマ和歌山」は4月25日から休業していたが、休業要請の解除を受け16日に営業を再開。感染を防ぐため入り口などにアルコール消毒液を設置したり、換気を行ったりしており、来場者にはマスクの着用を呼び掛けている。通常午前9時のオープン時間を10時とし、レイトショーやスーパーレイトショーは当面実施しない。16日午前は訪れる人もまばらだった。

同店の大槻尚宏店長は「営業は再開したが、新作の公開が延期になっており、夏や秋まではしばらく厳しい状況が続くのでは。席の間隔を1~2席空けて座ってもらうなど、お客さまや従業員の安全を確保し、安心して来ていただけるようにしたい」と話していた。

JR和歌山駅直結の商業施設「和歌山ミオ」は一部店舗を除き休業していたが、本館内の店舗を今月11日から順次再開している。運営会社によると、16日現在では本館の約9割の店舗が営業を再開しているが、北館の再開時期は未定という。担当者は「北館の再開は周りの施設の動きも見ながら判断することになると思う。鉄道の減便もあり、人が戻るのはまだしばらくかかるのでは」と話していた。

営業を再開したジストシネマ和歌山(16日正午ごろ)

営業を再開したジストシネマ和歌山(16日正午ごろ)