燃えないFRP開発 名古屋のベンチャー企業
和歌山県内にも出資者がいるEаch DreaM㈱(名古屋市、中野省吾社長)が、燃えないFRP(繊維強化プラスチック)を開発した。FRPは軽量で強度が高く、浄化槽やプレジャーボート、バスタブなどに使用されている。石油由来の素材のため燃える性質になっており、燃えると油煙が出る。同社は開発の理念に賛同する人らが集まって昨年10月に設立したベンチャー企業で、燃えないFRPの開発は世界初という。
同社は直線的な1500度の炎にも耐えられるFRPを開発。放射状の炎にも強く、実験ではFRPと断熱材で作った箱の中に氷を入れ、灯油をかけて約20分間燃やしたところ、熱伝導率と熱貫流率が低いため、箱の中の氷は溶けなかったという。
開発の背景にあったのは、火災から人の命を守りたいとの思い。開発の中心を担った濵村英男会長は「住宅産業は裾野の広い大きな産業。燃えないFRPと不燃性の断熱材をセットにした建材ができれば」と活用に期待を寄せる。
今月初旬には濵村会長や中野社長ら同社の社員らが有田市を訪れ、県内の支援者が見守る中、開発したFRPの性能を確認する実験を行った。
出資者で和歌山市在住の髙見信彦さんは、「火災から人の命を救いたいという理念が心に響いた。今後の活用に期待している」と話していた。
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