おすしを宅配 弥一と相互タクシーがタッグ

緊急事態宣言が解除されたものの、県外への移動の自粛など引き続き外出には慎重さが求められる中、テークアウトやデリバリーの需要は依然として高い状況にある。回転ずしチェーンの「江戸前回転鮨 弥一」は、相互タクシー㈱(和歌山県和歌山市)と協力して市内のデリバリーサービス(有料)を行っている。

4月8日から休業し、現在「お持ち帰りセット」を販売している同店の宮街道店(同市太田)で実施。弥一を運営する㈱ウイルバーン商事の山口勇人代表取締役社長によると、出前をしてほしいという要望は以前からあったが、交通関係のリスクにより実現が難しかった。また、長年店舗を利用していたが免許を返納するなどして自力で来られなくなった客もおり、そんな人たちにも提供できないかと考えていたという。新型コロナウイルス感染症に伴い店舗が休業となり、相互タクシー㈱の松浦卓哉常務取締役と相談し、「誰かの助けになるなら」と共同デリバリーの準備を始めた。

注文は前日までに、電話でのみ受け付け。弥一で注文を受け、相互タクシーが配達先に応じてルートを考案。翌日タクシーで商品を引き取り、到着予定時刻を電話で連絡した後、商品が届く。

サービスは通常営業再開後も続けていきたいとしている。山口社長は「今後もできる限り必要としてくれているお客さんに届けられるような取り組みをしていけたら」、松浦常務は「新型コロナはたまたまサービスを始めるタイミングだっただけ。今後も続けていき、両方のファンが増えてくれるとうれしい」と話していた。

同社の他、紀北交通、ユタカ交通など県内のタクシー会社がデリバリーや買い物代行を実施している。

商品が入ったボックスを車のトランクに乗せて出発

商品が入ったボックスを車のトランクに乗せて出発