髙橋博士の功績伝える 生誕地に胸像を設置
世界で初めてビタミンAの分離抽出に成功した和歌山県和歌山市出身の農学博士髙橋克己(1892―1925)の功績を記した説明板と胸像が8日、生誕地の同市木ノ本に設置された。
髙橋博士は旧制和歌山中学校(現県立桐蔭高校)、第三高等学校を経て東京帝国大学農学部農芸学科に進学。同大学院に進み、油脂成分の研究に取り組んだ。
1922年8月に世界で初めてビタミンAをタラの肝油から分離抽出することに成功した。
ビタミンAの性質や生理作用についても研究を重ね、夜盲症や肺結核などさまざまな病気の治療に効果があることを発見。32歳で病死した。
ことしの2月、親族が同市に生家の土地の一部を寄付。その功績をしのぶ場として後世に伝えるために、髙橋克己博士顕彰会が制作した胸像や功績などを記した説明板の設置を決めた。
8日の除幕式では、尾花正啓市長と顕彰会の山本眞弘事務局長、木本小学校の代表児童7人らが出席。尾花市長は「木ノ本という風土が素晴らしい人を生んだ。私たちのまちはこんな偉大な素晴らしい人を生んだと知ってもらいたい」と話した。
山本事務局長は「この地を訪れた人に髙橋博士の功績や遺志にふれていただければ」と話した。
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