来春から3学期制に 和歌山市立中学校

 和歌山市教委は24日、 来年度から市立中学校で2学期制を廃止し、 3学期制を導入すると発表した。 市では平成18年度から2学期制を導入したが、 夏休みや冬休み前に通知簿を受け取れず、 学習意欲が低下することなどが課題として持ち上がったため、 3学期制に戻すことを決めたという。

 学校教育課によると、 中核市41市の小中学校で3学期制を導入しているのは24市、 2学期制は13市、 小中学校で異なるのは4市(和歌山市含む)。 全国的にも3学期制の方が多く、 近畿圏内の中学校では、 3学期制66・4%、 2学期制33・6%(平成22年度・近畿中学校長会調べ)。

 2学期制の場合、 定期試験が3学期制より1回少ない4回(6、 9、 11、 2月)のため、 授業時間を確保しやすかったり、 生徒と触れ合う時間が増えるなどというメリットがあるとされる。

 しかし、 長期休暇前に成績が分からないことで目的意識を持って休暇を過ごせない生徒がいることや、 小学校が3学期制のため、 生徒や保護者が戸惑うことなどが問題点として指摘されるようになってきた。

 そのため、 市教委や校長会の代表者で構成する 「2学期制検証委員会」 は検討を重ね、 ことし5月には、 教職員439人、保護者(2、3年生の一部)886人にアンケートを実施。その結果、3学期肯定派は教職員56%、 保護者64%に上り、 逆に2学期制肯定派は教職員26%、 保護者11%と少なかった。

 これを踏まえ、 市教委は来年度から新学習指導要領が全面実施されることに合わせて、 3学期制への移行を決めた。 山本昌之課長は 「2学期制を実施する中で教員の 『授業時間を確保する』 という意識が変わった。 これを3学期制に生かしたい。 生徒たちは小学校のときに3学期制を経験しているから、 戸惑いはそれほど大きくないと考えている」 と話している。

関連記事

同じカテゴリのニュース一覧