新市民図書館の基本構想明らかに 市議会

 南海和歌山市駅ビルの改築に伴い併設する計画の新しい市民図書館について、市教育委員会は基本理念を「知・情報・交流・くつろぎの拠点」とし、計画を進めていく考えを示した。2日の市議会経済文教委員会で明らかにした。整備に向けては、本年度に基本計画をまとめ、来年度に基本設計と実施設計を行い、29年度に建築工事の開始、30年度の完成を予定している。

 同委員会で示された基本構想によると、新図書館は、駅直結の利点を生かし、通勤・通学の利用者の増加を見込む他、関西国際空港も近いことから、県外や国外から訪れた人に向けた地域観光情報の提供も想定。高い集客能力を利用し、駅周辺の商業施設と公共施設の相互の回遊を生み、人のにぎわいが創出できるなどのメリットを挙げている。

 また、市教委は、現在の市民図書館を継続して使用する場合の課題も記載。建設後30年以上が経過し、耐震改修を行うと9カ月以上の休館が必要となる▽収蔵能力が限界を超え蔵書の増加が望めない▽児童室や閲覧席、自習室などの規模が小さい▽駐車場が少ない――などとし、移転改築の必要性を強調している。

 同委員会では、市民や議員の意見を反映した事業進ちょくの要望があり、市教委生涯学習部の北克巳部長は、「基本理念は事務局側の見解であり、市民の声で内容を変更してもいいと考えている」と話した。

移転計画が検討されている市民図書館

移転計画が検討されている市民図書館

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