2011年02月20日

00.社会/04.文化・くらし

県文化奨励賞、和歌山雅楽会

「いったん途絶えてしまったら復活は難しい」 。 昭和28年4月の結成以来、 県内唯一の雅楽演奏団体として普及・伝承に取り組んできた和歌山雅楽会の江川定光代表(59)はこう話す。 そして19年度の和歌山市文化奨励賞に続く今回の受賞に、 「皆さんに認めていただき、 非常に光栄でありがたい。 今後一層精進を重ねたい」 と表情を引き締める。

県文化奨励賞、和歌山雅楽会


752年の東大寺大仏開眼法要の際も演奏され、 平安時代に完成した雅楽は、 源氏物語の時代からの姿をそのまま伝えるといわれ、 聴く人の心を落ち着かせ、 懐かしい気持ちにさせる悠久の響きと華麗な舞が魅力。

3年前の 「源氏物語千年紀」 に同会が開いた定期演奏会では、 舞楽 「青海波(せいかいは)」 や 「胡蝶(こちょう)」 などを披露し、 まさに平安絵巻のみやびで観客を魅了した。

宮中や神社で演奏されることの多い雅楽だが、 同会の活動は地域密着。 昭和32年の和歌山城天守閣の起工式・落成式をはじめとして、 住友金属工業の溶鉱炉火入れ式、 世界リゾート博、 南紀熊野体験博、 和歌山城御橋廊下渡り初め式、 日露国際文化交流会レセプション、 和歌祭、 市民茶会などの催しで、 華やかさと厳粛さを添えてきた。

また、 小・中学校、 介護老人保健施設などでも訪問演奏し、 特に子どもたちに雅楽の魅力を伝える活動に力を入れる。 平成16年度から20年度まで文化庁委託事業 「伝統文化こども教室」 を実施。 本年度からは和歌山市主催の雅楽教室で講師を務める。

「浸透するのは難しい。 でも私自身中学生から雅楽を始め、 5年10年と続けてやっと面白さが分かった。 洋楽とは異なる雅楽の独特の間、 リズムが合奏者同士でぴったり合った時は喜びです。 周りの大人が楽しんでやっている姿を子どもたちに見てもらうことが一番。 今までお世話になった恩返しの気持ちで教えさせてもらいたい」 と江川代表。

3月13日には定期演奏会を同市西高松のきのくに志学館メディア・アート・ホールで開く(午後2時から)。

「まず、 この日本の文化を皆さんに聴いていただきたい」 と同会。 小学3年生と5年生の4人も、 かわいらしい舞楽 「迦陵頻(かりょうびん)」 を披露する。





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