2011年03月18日

05.紀の川・岩出・海南・紀美野/06.特集/私達にできること―和歌山から東日本へ―

那賀消防隊員が報告

12日から東日本大震災の被災地(宮城県石巻市)に派遣されていた那賀消防組合消防本部(岩出市中迫、田中照巳消防長)の第一陣が17日早朝、同本部に戻った。阪神淡路大震災の救援作業も経験し、今回隊の指揮をとった中署副署長の馬谷昭一郎隊長(54)は「現地の状況は阪神淡路大震災の何倍もの被害だった」と振り返った。また、「地震だけなら被災者は建物の下にいる。津波被災現場では、どこにいるのか見当も付かなかった」と困難な救出活動を話した。第一陣では生存者の発見はかなわなかった。


阪神淡路大震災の際には、救援部隊が四方八方から集中的に入ることができた。今回は被害が広範囲で、さらに道路ががれきなどで寸断されているため、侵入路が限られていたという。活動の拠点を被災地の近くに設置することもできず、遠方から現場に入るなど困難な状態が続いている。

隊員の疲労も相当だった。午前8時から日が暮れる午後6時ごろまでの作業で、「時間がもったいない」と食事も短時間で済ませ、活動は「全体を2班に分けて交代で活動すること」と決められているが、全隊動員状態で作業を続けたという。情報が入らないことも作業を妨げた。無線を持参したが停電で機能せず、現地の情報が入らなかったからだ。津波災害が激しい地域は360度すべてががれきの山となり、残っていた数軒のビルも中は津波でかき回された状態。津波被害が1階床上程度の地域では、約6割の住民が自宅に戻り、電気、ガス、水道が止まった状態でも生活していたという。





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