2011年04月02日

03.スポーツ/06.特集/第83回センバツ高校野球

8強入りした智弁の平岡、宮川

好機を生かせず天を仰ぐ平岡内野手

好機を生かせず天を仰ぐ平岡内野手

第83回選抜高校野球大会でベスト8入りした智弁ナイン。髙嶋仁監督は甲子園通算61勝に伸ばし、前人未踏の領域に入った。準々決勝で同じ近畿勢の履正社(大阪)に破れたが、バッテリーを中心につなぐ野球で善戦。この試合で輝きを放った選手二人を紹介する。


友人との約束果たす
―平岡志大内野手

「俺らと当たるまで絶対負けるなよ」。中学時代に平岡志大が所属していたオール枚方ボーイズのチームメート、履正社の1番打者海部との約束だ。当時の海部はスター的存在。自分とのレベルの差を実感し、「俺もあんなふうになりたい」と思っていた。そんな友人との約束を果たし、大舞台での対決を実現させた。

海部はこの試合2安打1打点の活躍。「どこに投げても打たれる。そんなオーラが出ていた」と感じた。それに比べ、自分は打ちたい一心から難しい球に手を出し凡退を繰り返し、チームの勢いを止めたことに無力さを痛感した。「完全に焦ってしまった。もっと自分がしっかりすれば勝てたはず」と悔しがる。「夏までに一回り大きくなって、海部との差を縮めたい」。次こそ躍動してくれるはず。

夏につながるヒット
―宮川祐輝外野手

2試合を終えて9打数1安打と当たっていなかった。4番としての責任と打てない悔しさから、光星学院戦後はロッカールームで人知れず涙を流した。ことしに入って打撃不振に陥り、甲子園入りしてからも調整はうまくいかないままだった。

4強入りを懸けた大一番の履正社戦。第3打席は2死満塁で打席に立った。ここまで2打席凡退、「打てないままでは帰れない」。焦る気持ちから振り遅れたが、右翼手の前にボールは落ちた。安打になったが満足できない。第4打席で、きっかけをつかもうと立ち位置をインコースぎりぎりに変えた。「デッドボールでも出塁してやる」。強い気持ちがバットに乗り移りインコースの直球を振り抜き、左前に運んだ。「思い描いたスイングができた」とほほがゆるんだ。試合には負けたが、ようやくつかんだ手応え。「夏につながるヒットになりました」。見つけた課題もある。智弁の4番は成長して夏、また甲子園に戻ってくるはずだ。





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