2011年07月14日

03.スポーツ/06.特集/第93回全国高校野球選手権大会、和歌山大会

市和歌山、慶風は2回戦へ

2回、1死2塁から、先制の右翼線2塁打を放つ瀧川(市和歌山)

2回、1死2塁から、先制の右翼線2塁打を放つ瀧川(市和歌山)

大会1日目の13日は1回戦2試合が行われ、 第1試合で市和歌山が田辺を8―3で下し、 第2試合は慶風が県和歌山を3―1で破り、それぞれ2回戦に駒を進めた。

田辺
0001001013
03000122×8
市和歌山
〔田〕 石本、 神原、 玉置大―熊代 〔市〕上―井上▽2塁打 大西、 瀬田、 熊代 (田)上、 瀧川、 浜田 (市)

市和歌山は2回、 1死から上が左中間に2塁打を放つと、 続く瀧川の右翼線2塁打で先制した。 さらに1、 3塁と好機を広げ、 浮田のスクイズで追加点。砂原の中前適時打でリードを3点に広げた。 投げては先発上が序盤からテンポのいい投球を披露。 4回以降は走者を背負う苦しい展開となったが、 直球を武器に粘りを見せた。 真鍋監督は 「先取点を取れたのが大きかったが、 序盤は攻め方が強引過ぎた。 次の試合はしっかり守備を固めて攻撃につなげていきたい」 と話した。


県和歌山
0001000001
10020000×3
慶風
〔県〕 溝口、 酒元―前芝 〔慶〕 山田―今野▽2塁打 大﨑 (県) 山田 (慶)

慶風はエースで4番の山田が先発。 初回に3四球で2死満塁の危機を迎えたが、 次の打者を空振りの三振に抑えた。

その後は安定した投球でアウトを重ね、 9回を3安打1失点で切り抜けた。 打線は同点で迎えた4回、1死満塁とし、 捕逸の間に勝ち越し。 さらに潮﨑が中前に運び追加点を奪った。

谷所監督は 「和歌山高校はよく練習試合をしてもらった相手。 勝ったことで恩返しができたと思う。 チャンスで一本が打てるように次の試合も頑張りたい」 と意気込んだ。

県和歌山は1点を追い掛ける4回表、 連打で1死1、 3塁とし、溝口の放った打球が内野手の悪送球を誘い同点に追い付いた。 最終回には得点圏へ走者を進めたが、 あと一本が出なかった。
9回を1失点に抑えた山田投手 (慶風)
9回を1失点に抑えた山田投手 (慶風)

エースナンバー成長誓う
4回裏、 先発溝口は2点を失い、 なおも1死満塁の危機を迎えていた。 ここでベンチはエースナンバーを背負う2年の酒元をマウンドに送った。

「ごめん」 と肩を落とす溝口からボールを受け取る。 先輩の思いを受け取った酒元は、選ばれたサイン通りにミットだけを目がけて腕を振り下ろした。 投じた球は得意のカットボール。 打球は鈍い音でマウンドの酒元の下へ転がる。 これで2死満塁。 「気持ちに余裕ができた」 と振り返る酒元は、 次打者に対しフルカウントから選んだ球種はまたもカットボールだった。 結果はセカンドゴロ。 1塁への送球を見送った酒元はこの日一番の雄叫びを上げた。

それ以降、 酒元は慶風打線を抑え込み、 表示板には零を並べ続けたが、 試合には敗れた。 あいさつを終えてベンチに引き返した時、 芝本捕手から笑顔で 「来年のチーム頼んだぞ」 とエールを送られた。酒元の目から涙が溢れた。「先輩たちの期待に応えられる投手になります。 一回り成長して来年の夏を迎えたい」と話した。
危機を逃れ雄叫びを上げる酒元投手(県和歌山)
危機を逃れ雄叫びを上げる酒元投手(県和歌山)





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