地域を学んで新聞作り 吹上小プロジェクト


プロジェクトについて児童に話す次田さん㊧と津村社長

 大好きなまちをもっと深く知ろう。和歌山市立吹上小学校(北畑嘉之校長)は、5、6年生111人が地元・吹上地区の特性をさまざまな視点から調べ、学習成果を本紙の紙面にし、広く地域内外に発表するプロジェクトを行う。11月下旬の発表会には同小卒業生の竹中平蔵慶応大学教授が出席する。竹中教授が代表のNPO法人和陽文化振興会、同地区連合自治会、同地区人権委員会、和歌山新報社などが共催。

 プロジェクトのきっかけは、吹上小卒業生で同NPO事務局長の次田尚弘さん(24)の呼び掛け。次田さんは同小6年生の時、特別授業で訪れた竹中教授と出会ったことが人生の転機になった。現在、同NPOで和歌山の活性化に取り組む中、後輩の子どもたちが将来大きく活躍していく動機付けになればと、地域学習と新聞作り、先輩・竹中教授との出会いを企画した。

 1学期終業式の20日、次田さんと津村周和歌山新報社社長(35)が同小を訪れ、5、6年生にプロジェクトに込めた思いを語った。

 次田さんは、竹中教授の下で学ぼうと慶応大へ進学したことなど、地域の先輩との出会いが自分を変えた体験を紹介。夏休み中は、祖父母などに吹上地区がどんな地域なのか尋ねたり、出掛けた先と和歌山との違いを探したりし、たくさんの発見をしてほしいと呼び掛けた。

 津村社長は、地元の人が地元のことを意外に知らない現状があることに触れ、全国メディアが扱わない地元の情報を数多く掲載する地方紙の意義を強調。「知ることで和歌山の良いところが見え、和歌山のことが好きになる」と話した。

 また、本紙記者が新聞作りの概要について説明した。

 子どもたちは夏休みから調査を始め、2学期に本格的な活動に取り組む。北畑校長は「子どもたちが地域のことを自分で見つめ、学び、将来に生かせる力を身に付けてくれると期待している」と話している。

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