産廃計画の問題点考える 山口地区で学習会


講演する熊井名誉教授

 和歌山市滝畑と上黒谷の山間部に産業廃棄物最終処分場の設置が計画されている問題で、 地元の山口地区連合自治会(園部尚正会長)は29日、 市立山口小学校内みらい館で、 地質学の専門家を招いて計画の問題点を考える学習会を開き、 住民ら約140人が参加した。

 講師は、 地質、 地下水を専門とする熊井久雄・大阪市立大学大学院名誉教授。 28日から山口地区を訪れ、 処分場予定地となっている農業用ため池 「南谷池」 周辺などを視察した。

 学習会で熊井名誉教授は、 産廃を埋め立てる計画地の地形、 地質条件は 「あまり良い適地とはいえないように思われる」 と述べた。

 理由として、 計画地の南約1・5~2㌔に活断層である中央構造線の一部をなす 「根来断層」 があること、 震源が浅い地震の頻発地となっていることなどを挙げ、 東南海・南海地震が発生した場合に周辺の地層が大きく動く危険性があることも指摘した。

 住民が計画反対の大きな理由に挙げている水質汚染については、 「計画地の南側に汚染水が地下浸透して漏水するのではないかとの心配はもっともなこと」 とし、 計画業者が詳細な調査を行い、 結果を公表し、 漏水などの危険性の対策を検討する必要があるとの見解を示した。

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