岩橋千塚を守る会 1万3千人の署名集める


土や竹で覆われている天王塚古墳の石室入り口付近

 国の特別史跡「岩橋千塚古墳群」(和歌山市)に、国内最大規模でありながら史跡指定範囲外となっている石室「天王塚古墳」などを含めることを県や国に求めるため、地元の市民団体「岩橋千塚を守る会」(鴨口正紀代表)は先月末までに1万3000人分の署名を集めた。今月中旬に県に請願する。

 同古墳群は5~7世紀の古墳約850基で構成。紀氏一族の墓とされる。現在、史跡範囲にある約450基は県立紀伊風土記の丘(同市岩橋)が管理しているが、周辺に点在する残りの古墳は私有地に残されたまま。私有地には国内2番目の石室の高さを誇る前方後円墳「天王塚古墳」と、県内最大級の前方後円墳「大谷山22号墳」(全長80㍍)があるが、石室の入り口は土で埋もれ、竹や雑木が生い茂っている現状にある。

 同会はこの状態を解消するため、昨年8月に発足。古墳までの道をつくるために草刈りなど行ってきたが、市民だけでは整備・保存の継続が困難なため、ことし5月から、県や国に2つの古墳の土地を買った上で整備・保存を申し入れる署名活動を展開してきた。

 和佐、西和佐、小倉の各地区連合自治会、鳴神自治会が協力し、回覧板を回したり、夏祭りやスーパーで署名を呼び掛けた。鴨口代表(64)は「地域の方それぞれの熱い思いが集まった。地域の郷土を後世に残していきたい」と話している。

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