雇用対策強化訴え メーデーに6000人


各会社の労働者が長蛇の列で行進したデモ

 労働組合加入者らが一堂に会し、労働環境改善に向けて社会に呼び掛ける「メーデー県中央集会」が26日、和歌山市の和歌山城「砂の丸広場」を会場に開かれ、約6000人が参加し、デモ行進などで生活改善や格差是正などを訴えた。

 今回で85回目。開会式典では、古谷紀男実行委員長(連合和歌山会長)があいさつし、「景気は回復にあるというが、中小の地場企業組合の交渉は非常に厳しい状態。交渉を強化して暮らしの底上げや人への投資につながる闘いを続けよう」と組織の一致団結を求めた。また近年、組合員が減少傾向にあることにふれ、「正社員で5人に1人、非正社員は20人に1人の加入と厳しい現状にある」とし、積極的に組織拡大を図る必要性を示した。

 その他の来賓のあいさつでも、政府が専門会議で検討を進めている、企業が派遣労働者を同じ仕事で受け入れることができる期間「原則1年(最長3年)」のルールの撤廃や、長時間労働、過労死を招く恐れがあると指摘されている国家戦略特区での労働条件規制緩和「ホワイトカラーエグゼプション」などについて批判の声が相次いだ。

 特別決議では、大阪ガス労働組合南部ブロックの西岡謙一さん(32)が「働く者を使い捨てにする、いわゆる『ブラック企業』の問題を助長するような労働者保護ルールの改悪を許すわけにはいかない」と決議案を読み上げ、採択された。

 その他、会場では、音楽ライブや餅まきなどもあり、盛り上がった。参加した和歌山市田尻の岡本貢樹さん(45)は「賃上げ交渉も厳しい状況にあるが、良い仕事をして、その分の報酬は、しっかりもらえるように組織が一致団結して交渉していきたい」と話していた。

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