子どもの夢と未来を応援 和歌山南RC60周年

創立60周年を迎えた和歌山南ロータリークラブ(RC、樫畑国俊会長)は25日、和歌山市の県民文化会館で記念イベントのプログラムを実施。「子供たちの夢と未来のために」と題し、国際社会に目を向けた講演や、未来に羽ばたく若者の演奏を届けた。新型コロナウイルス感染防止のため、参加は会員と関係者のみに制限。この日の様子は今月下旬以降、同クラブのホームページ上で動画配信される。

同クラブは1961年4月28日に発足。さまざまな職業人が集い、地域の経済や文化振興のため、親睦や奉仕活動に取り組んできた。現在80人の会員が所属し、市内で最も規模の大きなRCという。

この日の記念イベントは、多くの子どもたちにふるさとを愛する心を育んでもらおうと企画。登壇した樫畑会長は、コロナ禍での開催に迷いがあったものの、講演者らの熱い思いに背中を押されたとし「われわれの活動が、どこかで誰かのために機会の扉を開く、そんなきっかけになれば。一日も早くコロナが終息し、世界じゅうの方々が日常を取り戻し、平和と健康がもたらされるよう願います」とあいさつした。

記念講演では、難民の支援などに取り組む国連UNHCR協会の中村惠さんが、リモートで活動内容を紹介。難民の子どもたちの半数は学校に通えていない現状や、コロナ禍で教育支援を縮小・中断せざるを得ない状況があり、多くの人道支援が必要とされていることを伝えた。

この他、中学までは盲学校で学び、星林高校から東京大学教育学部に進学した同市出身の菅田(すがた)利佳さんが近況報告。学業の傍ら、ピアノの演奏活動を続けており、憧れで大好きな曲だというショパンのノクターン第8番を奏でた。

菅田さんは、国連のSDGs(持続可能な開発目標)などに対し、文化・芸術を通して、国連と東大を結び付ける活動をしている学生団体「東京大学UNiTe」の代表。国連で働くのが夢だという菅田さんと中村さんのリモート対談もあり、互いの今後の目標などを語り合った。菅田さんは、これまで支えてくれた人や学びの機会に感謝し「私も教育や音楽を通して希望を届けられる存在になれるよう、努力を重ねていきたい」と話した。

また、同市出身のバイオリニストで東京藝術大学学長の澤和樹さん、同市のピアニスト宮下直子さん、ホルン奏者の日髙剛さんを迎えた「きのくに音楽祭プレミアムコンサート」も開催。音楽の道を志す二宮煌太さん(ピアノ)、中村心春さん(フルート)、柴田陽(ひかる)さん(ピアノ)、有馬陽子さん(チェロ)ら県内の中高生との共演もあり、美しい音色を響かせた。

当初、この日に予定されていた和歌祭支援企画「和歌祭四百年式年大祭に向けて」は、新型コロナウイルス感染防止のため中止とした。

 

若き演奏家がプロと共演

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