中田、あらぎ島など8地区 つなぐ棚田遺産
棚田を含む地域の振興に取り組んでいる地区を農林水産大臣が認定する「つなぐ棚田遺産~ふるさとの誇りを未来へ~」に和歌山県内から、紀美野町の「中田の棚田」、有田川町の「上湯・あらぎ島」など8地区が選ばれた。
日本の棚田の多くは、食料供給にとどまらず、良好な景観形成、伝統文化の継承など多面的な役割を果たしており、保全活動の推進を目的に農水省は1999年、全国134地区を「日本の棚田百選」に認定。その後20年以上が経過し、担い手の減少などにより荒廃の危機に直面する棚田地域の振興を進めるため、〝ポスト棚田百選〟として「つなぐ棚田遺産」を選び、全国271地区を認定した。
県内から選ばれたのは他に、芋谷の棚田(橋本市)▽沼の棚田・段々畑(有田川町)▽久野原の棚田(同)▽沼谷「天空の棚田」(同)▽杉野原の棚田(同)▽色川の棚田群(那智勝浦町)――。
中田の棚田は、山間部に広がる9㌶の地区。2020年に小川地域棚田振興協議会を設立し、登録ボランティアの「棚田サポーターズ」などによる復田作業の他、農業体験やキャンプなどの都市農村交流、SNSなどを使った広報を通じて地域の魅力を発信している。
上湯・あらぎ島は「日本の棚田百選」、国の重要文化的景観にも選ばれている県内でも特に知名度の高い棚田。面積は18・8㌶。目立ちにくい鳥獣害防止柵の設置など景観に配慮した整備、景観への理解度を高める勉強会、棚田ウオークなどのイベント開催など、保全と振興に取り組んでいる。
選定を記念し、県のアンテナショップ「わかやま紀州館」(東京都千代田区有楽町)では今月末まで、「つなぐ棚田遺産」を紹介する特設コーナーを設置し、棚田地域の特産品を販売している。
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