海難事故で迅速救助 和歌山海保が感謝状

和歌山海上保安部は、2件の海中転落事故で人命救助に尽力した、和歌山市の警備員・髙𣘺克巳さん(80)と、有田市の漁師・児嶋圭吾さん(50)、父・正記さん、弟・弘典さんの3人の2組計4人に感謝状を贈った。

髙𣘺さんは10月4日午前5時40分ごろ、和歌山市の西脇漁港内を散歩中、母親と釣りをしていた5歳の男児に会い、「ライフジャケット着けないと危ないで」などと話していたところ、男児が海に転落。母親が男児を助けようと自ら海に飛び込んだため、髙𣘺さんは男児の釣竿の先を母親に差し出し、つかまらせた。

母親は片手に息子を抱え、もう片方の手で釣竿をつかみながら、髙𣘺さんの誘導で約100㍍先のはしごにたどり着いた。髙𣘺さんは岸壁上に置かれていたロープで2人を引き揚げ、救助した。

児嶋圭吾さんは10月2日午前9時35分ごろ、有田市の箕島漁港沖で漁をしていたところ、後方にいた別の漁船から延びる底引き網のワイヤーロープに貨物船が乗り、漁船が転覆。乗員2人が海上に投げ出されたのを目撃し、すぐに漁を中断し、救助した。

11月8日、和歌山市築港の和歌山港湾合同庁舎で贈呈式が行われ、髙𣘺さんと児嶋圭吾さんが代表して出席。山下雄一郎部長が感謝状を手渡した。

児嶋さんは「2人を元気に助けられて良かった」と話し、髙𣘺さんは「子どもがライフジャケットを着ていたら、海に浮いたので慌てなくても済んだはず」と指摘。週末には子どもがライフジャケットを着用しないまま家族で釣りを楽しむ姿をよく見るとし、「ライフジャケットを着用してほしい」と訴えた。

感謝状を手に笑顔の児嶋さん(前列中央)と髙𣘺さん(右隣)

感謝状を手に笑顔の児嶋さん(前列中央)と髙𣘺さん(右隣)

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