地域課題解決へ 和市×南海×事業構想大

和歌山市、南海電気鉄道㈱、事業構想大学院大学の三者は23日、市の地域課題解決を目指す「共創シティ・サステナブルわかやまプロジェクト研究」を実施すると発表し、相互連携の覚書を締結した。南海電鉄から市への企業版ふるさと納税を活用する事業で、市職員と民間公募の計12人が研究員となり、市の発展に寄与する事業を構築するとともに、今後も地域に資するアイデアを生み出し、活動を続ける人材の育成を目指す。

同日、尾花正啓市長、南海電鉄の岡嶋信行社長、同大の田中里沙学長が市役所で共同記者会見を開き、同大修了生で、連携のきっかけをつくった戸田正人市議会議長が立会人として出席した。

同大は、企業版ふるさと納税を活用し、産学官の共創による地域活性化、地域人材育成を目指すプロジェクト研究を全国で展開しており、和歌山市は14例目の取り組みとなる。

プロジェクトの期間は来年1~9月の9カ月間。市職員6人と民間公募6人の12人が全20回の研究会に参加し、研究員として同大教員の指導を受けながら、ワークショップやフィールドスタディなどに取り組み、市の地域課題を把握し、解決に向けた新事業やビジネスモデルなどの構想を練り上げていく。

参加者の費用は無料で、プロジェクトの運営には、南海電鉄からの企業版ふるさと納税2000万円が活用される。

共同記者会見では、岡嶋社長から尾花市長に寄付目録、尾花市長から岡嶋社長に感謝状の贈呈を行い、田中学長、戸田議長を加えた4人が覚書に署名した。

岡嶋社長は「持続可能な地域社会の実現に資する事業構想の共創、地域課題の解決に取り組むイノベーション人材の育成に貢献したい」、尾花市長は「市職員、公募の民間の方がそれぞれの能力を高めてもらえる。それも地方創生の中で、地域課題を通じてすることは非常に大きな人材育成になる」と述べた。

戸田議長は、参加する研究員が市の課題を掘り下げ、事業構想を立てていく取り組みの中で、「地域課題、ピンチをチャンスへと好転していただけたら」と期待を寄せた。

田中学長は、人材育成が地元企業の成長、雇用創出、地域全体の産業活性化、にぎわい創出を実現していく好循環を生み出す装置として、今回の研究が機能することを目指すとし、「構想を考えて、チームを編成して、発信もできる人が育つことが、大きな効果、影響を生むと思っている」と話した。

プロジェクトに参加する民間6人の公募は12月3日まで。市をより良くしたいという熱意を持った市内外の個人や企業が対象。11月2日午前10時、14日午後5時、20日午後1時から、オンラインで説明会を開く。

申し込みは同大ホームページ(https://www.mpd.ac.jp/events/wakayamacity/)から。

問い合わせは同大(℡06・6372・8411)。

覚書を締結し、プロジェクト研究をアピールする(左から)岡嶋社長、尾花市長、田中学長、戸田議長

覚書を締結し、プロジェクト研究をアピールする(左から)岡嶋社長、尾花市長、田中学長、戸田議長