和大生が新規事業を提案 地元企業と連携

和歌山大学ときのくに信用金庫が連携し、昨年12月から取り組んできた新規事業の立案を実践形式で学ぶ 「『未来事業』共同デザインプロジェクト」の講義が8日に最終回を迎え、同大学で学生らによるプレゼンテーションが行われた。学生たちは県内企業と共同で考えた新規事業の構想案を発表。各企業や和歌山の特性を生かしたアイデアが盛り込まれた。

講義は、同大学ときのくに信用金庫が2022年10月に結んだ包括連携協定に基づくもの。新規事業立案の手法を学ぶ講義「アントレプレナーシップ実践」の一環。和歌山の将来を担う学生と地元企業が連携し、共に学び合いながら、地域の未来を明るくする事業を生み出すことなどが目的。両者は共同で昨年12月7日から全8回の講義を重ねてきた。

教育、経済、観光、システム工学、社会インフォマティクス学環の1~4回生、約25人が受講。学生は3~6人に分かれ、山一製材㈱(海南市名高)、花山開発㈱(和歌山市鳴神)、㈲カネモ食品(同市松江中)、㈱河鶴(同市湊)、㈱和歌山放送(同市湊本町)の各社の経営者や社員とチームを組み、座学やワークショップを通して取り組んできた。

山一製材チームは県産の紀州材を屋外で利用できるように処理した、紀州材サーモウッドの普及を図る案を発表した。建設事業者への紀州材サーモウッドを使用したプレハブ販売を提案。木の温かみや香りによる使用者の疲労軽減を期待している。被災地における仮設住宅としての同プレハブの活用や紀州材サーモウッドを用いた雑貨の販売案なども話した。

花山開発チームは健康に特化した宿泊プランを提案。静かな客室などにより、質の高い睡眠を提供するもので、健康状態の向上を図る体験や同社が有する温泉への入浴なども盛り込んでいる。

和歌山放送チームは同大学生ら若者の和歌山への関心の向上を目指し、和歌山ラーメンの店舗を巡るスタンプラリー案を発表した。巡った数に応じて景品がもらえるというもの。大学内の掲示板やSNSを活用して取り組みの周知を図る。

河鶴チームはユー・チューブなどのSNSを活用した漬物の宣伝案について話した。食品を作る工程や調理の際の音をアピールして視聴者の興味を図るもの。

カネモ食品チームは、和歌山の食材を用いた食品を企業に配達するサービスを提案した。

同チームの教育学部4回生の男子学生(23)は、「(講義を通して)現状と課題の深掘りが重要だと学んだ。今後就職し将来的に独立した際にも、ロジカルにアイデアを考えるプロセスは生かせると思う」と振り返った。

3月まで同大学に事業共創コーディネーターとして出向している同金庫融資部の堀成次係長(34)は、「学生はかなり積極的に取り組んでくれた。これからの人生のいろいろなところで使えるノウハウを学んだと思うので、今後に生かしてほしい」と話した。

新規事業案を発表する学生

新規事業案を発表する学生

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