思いやりの心トンガへ 智弁小で募金活動

智弁学園和歌山小学校(和歌山市冬野)で14日から16日までの3日間、海底火山噴火によって被災したトンガ王国の被災者に役立ててもらおうと、児童ら有志がエントランスホールに立ち、全校児童430人に向けて募金活動を行った。

活動のきっかけは、ニュースで被災地の様子を知った同校5年生の小田さくらさん(10)の「少しでもトンガの力になるために募金活動をしたい」という思いやりの心。

同校ではこれまでも大規模な森林火災で被害を受けたオーストラリアのコアラを助けようと2020年、21年には「コアラ募金」を実施。昨年11月には、SDGs貧困支援活動の一環として「ラオス募金」を行うなど、〝思いやりの心〟をもって国際貢献に励んでいる。

小田さんは「ニュースでトンガの様子を見て胸が苦しくなった」と話し、トンガのことを調べていくうちに、東日本大震災でトンガが国を挙げて寄付を募ってくれたことを知って感動。「今度は日本がトンガに恩返しする番」と感じ、渡瀬金次郎校長にも直接、募金活動をしたいという思いを伝えた。

募金活動までの準備期間には、平和委員の馬場健成さん(12)ら有志も参加し、トンガを助けたい気持ちを広げるため、ポスターを制作。教員が用意したトンガの被災状況を伝える動画には、馬場さんが字幕とナレーションを付けてより分かりやすく工夫を凝らして校内で事前放送するなど、募金活動の周知や国際理解の啓発活動を行った。

また、募金袋も手作りし、袋には「トンガに〝○○〟を」というメッセージスペースを用意。児童らに募金を入れてもらうだけでなく、空欄部分にはトンガに届けたい思いを書いてもらうなど、〝思いやりの心〟が詰まった募金袋を配布した。

募金活動は昼休憩に行われ、エントランスホールに立った小田さんや馬場さんら有志の前に、続々と募金袋を手にした児童らが集まり、手作りした募金箱にはたくさんの〝思いやりの心〟が届けられた。

空欄には、「幸せ」「ゆめ」「愛」「やさしさ」など、それぞれの届けたい思いが書かれており、小田さんは「トンガの皆さんに少しでも早く幸せを感じてもらえれば」とにっこり。

馬場さんは「トンガに早く復興してもらいたいと願うと同時に、智弁生たちが今どれだけ幸せなのかに気付いてほしい」と話し、渡瀬校長は「お互いに助け合う気持ちや周りを気遣える心配りができる、本当にいい子らが育ってきている」と笑顔で児童らの活動を見守っていた。

今回集まった募金やメッセージは、まとめて駐日トンガ王国大使館(東京)に送ることにしている。

一人ひとりの思いが詰まった募金袋を入れる児童ら

一人ひとりの思いが詰まった募金袋を入れる児童ら

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