産科医派遣で分娩再開へ 新宮医療センター
和歌山県の新宮市立医療センター(同市蜂伏)が、産婦人科医師の退職により3月から分娩休止となる問題で、県は21日、東京慈恵会医科大学(東京都港区)と連携し、4月から常勤医と非常勤医の派遣を受けると発表した。近畿大学病院(大阪府大阪狭山市)の医師が6月から同センターの常勤となることも決まっており、6月にも分娩が再開される見通しとなった。
県によると、同センター産婦人科は新宮市と周辺医療圏の分娩を担い、常勤医は現在、ベテランの部長職と県が地域医療枠で配置している県立医大の若手の2人だが、部長が3月で退職するため、分娩休止を余儀なくされる。この事態を受け、県は10カ所程度の医大と医師確保に向けた交渉を行い、東京慈恵会医大との連携が決まった。
同医大は部長職の常勤医を4月から半年交代で、非常勤医を月2回の予定で派遣する。契約は1年ごとの更新。県は関係市町村とともに、同医大と派遣される医師に対し、研究費を提供する。
また、新宮市と包括連携協定を結ぶ近畿大からは、同大病院の医師が退職して6月から同センターに勤務し、開始時期は未定だが、非常勤医の派遣も受ける。
21日の定例記者会見で仁坂吉伸知事は、来年度の新政策で産婦人科医確保の取り組みを進めるとした上で、全国的な課題であることから、「国として放置しておくと危ない。産科にインセンティブ(報酬)を与えないといけない」と述べ、国として取り組むべきとの認識を示した。
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