10年間無災害達成 バンドー化学㈱和歌山工場
労働災害の危険を従業員に指導する前坂支部長㊥
工場での死亡災害と、 休業1日以上の災害発生が延べ370万時間 (全従業員の労働時間合計) なかったとして、 紀の川市桃山町最上のバンドー化学㈱和歌山工場 (上杉長工場長) が、 厚生労働省から表彰を受けた。 記録達成には、 労使が協力し 「労働災害犠牲者を出さない」 という強い気持ちの取り組みがあったようだ。
同工場の主力製品は、 自動車などのモーターに使われるゴム製ベルト。 150人が昼夜2交代制で勤務している。 表彰は平成13年5月24日~23年8月9日の実績で、 5段階の第一歩目である 「第1種無災害記録証」 が授与された。 今後、 第2種基準の延べ555万時間を目指すという。
安全への取り組みは、 従業員から提出された事故につながりかけたヒヤリハット (ヒヤリとしたこと、ハッとしたこと) に基づき危険箇所の改善に努めている他、 労使の代表12人でつくる安全衛生委員会が毎月一回、 「カバーの損傷」 などとテーマを決めて巡回点検している。
また、 実際に工場内で使用している機械で災害体験機を作り、 腕に見立てた棒をモーターに挟んで事故の怖さを従業員に意識付けるなど地道な活動を続けている。 同社労働組合和歌山支部の前坂金哉支部長 (36) は 「今後も危険を先に予知するリスクアセスメントを充実させたい」 と話していた。
和歌山労働局によると、 県内過去10年間で無災害記録証が発行されたのは、 同社を含め4社だけだという。
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