子どもたちに勇気を 聖火ランナー桑原葵さん
聖火ランナーに決まった時、「もっとスポーツで功績のある人がするんだと思ってた」と驚いたという。ニュースで聖火ランナー募集を知り、調べてみると国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)とオリンピックの関わりが分かった。自身が運営に携わっている子ども食堂も同じくSDGsに関わりがあったことから、応募用紙に地域づくりへの思いを書いた。
大学時代はボランティア活動で発達障害のある子どもやハンセン病患者と交流。子ども食堂は卒業論文のテーマを探す中で知った。月に1回開いている「おのみなとこども食堂」には高齢者から子どもまで、多いときで約100人が参加。食事はもちろん、勉強の指導、遊びも行う。子どもたちと接するのは楽しく、特技の折り紙でハローキティやミッキーマウスを折って子どもたちと盛り上がることや、最近は「鬼滅の刃」のキャラクターが着ている衣装を作ってほしいとせがまれることも。活動を通して子どもや社会を取り巻くさまざまな問題を知った。
食堂には聖火ランナーがどんなものかまだ分からない年齢の子どもたちもいるが、自分の走る姿でみんなに勇気を届けたいという。「今はいろいろ問題があるけど、滞りなくオリンピックが開催できて、国立競技場に聖火がともされる瞬間を一人のランナーとして見届けられたら」と話している。
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