重文仏像3体公開 紀三井寺が毎週金曜


参拝者に説明する前田副住職(仏像は右が十一面観世音菩薩立像、左が梵天立像)

 西国第二番札所、和歌山市の紀三井寺(前田孝道貫主)は6日から、所蔵する重要文化財の仏像のうち秘仏2体を除く3体の公開を始めた。これまでは原則50年に1度の秘仏開帳の時など限られた機会にしか見られず、拝観の機会を増やそうと、ことし新たに企画された。

 拝観できるのは、十一面観世音菩薩立像、梵天立像、帝釈天立像の3体。いずれも10~11世紀ごろの平安時代の作で、本堂奥の大光明殿に安置されている。

 訪れた参拝者には前田泰道副住職が各仏像の特徴や観音信仰の意義などを説明。十一面観音像は、簡素でひなびた作風の中に親しみを感じさせ「美仏」とも呼ばれること、梵天像と帝釈天像は、天部の像でありながら、菩薩像の体裁を有していることなどを知った参拝者は、熱心に説明に聴き入り、仏像に手を合わせていた。

 昨年から100回以上同寺に通い、3体の仏像は初めて拝観したという和歌山市加納の泉充治さん (79) は 「すごいとしか言えないが感嘆した。 吉縁をいただいたと思う。 ぜひ家内を連れて来たい」と話していた。

 公開期間は12月21日までの毎週金曜日(8月24日と9月7日は除く)。時間は午前9時半、10時半、11時半、午後1時半、2時半、3時半の一日6回。入れ替え制で各回20~25分。拝観料は大人400円、子どもと70歳以上は200円。

 問い合わせは同寺(℡073・444・1002)へ。

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