本宮町復興へ始動 和大生ら支援プロジェクト

和歌山大学
当日に向け着付けの確認をするメンバーら

 4月15日に熊野本宮大社(田辺市)で行われる 「正遷座120年大祭」 に合わせた台風12号被災地の復興支援イベントの開催に向け、和歌山大学観光学部の学生らでつくるWTS交流会(北川原良雄代表)と、同市本宮町の有志ら共同の 「本宮町復興の底力プロジェクト」 が本格始動した。 復興への道筋づくりを担う一大イベントに、学生たちは 「学部で学んだことが試される時。 若い力で観光客の増加に貢献できれば」 と意気込んでいる。

 イベントは大祭に合わせ、 学生と地元有志による実行委員会が、 昨年9月の台風12号で被災した同町の復興を全国に発信しようと行うもの。 当日は、 同大社をメーン会場に観光客を野だてでもてなし、 茶や和菓子を振る舞う他、 1000円以内で特産物や小物、 工芸品を販売する 「よみがえり市」 を開催。 一日で1000人の観光客誘致を目指している。

 また、 目玉商品として、 熊野三山のシンボル、 八咫烏(やたがらす)にちなみ、 めはりずしをアレンジしたすし 「八咫たまご(仮)」 を販売。 まち全体を活性化させる仕組みづくりで、 地域の特産化を進める。 よみがえり市も、 今後も恒例の名物市となるよう、 地域での定着化を図るという。

 プロジェクトは、 これまで同大社で毎年野だてをするなど、 同町と交流のあった北川原代表(61)が現地を訪れ、 話し合いを進めてきた。

 大手旅行会社数社も協力。 旅行者が大祭の 「御渡り」 に参加できる体験型観光、 略式のおはらいを受け、 「支援証明書」 の発行で次に訪れた際には何らかの特典を受けられるなどの企画で旅行を商品化。 積極的に顧客に働き掛けるなどして集客を図っており、 北川原代表は 「100%手づくりの地域再生」 と力を込める。

 高齢化が進む同町では、 若い学生のリーダーシップに期待の声も大きい。 同大社の九鬼家隆宮司(55)は 「学生さんが地域の思いを受け、 協力して行うのは大変喜ばしい。 これをきっかけに、 本宮町だけでなく、 熊野全体から若い方々が元気を発信していただければ」と話し、 同交流会のメンバーで観光学部4回生の松本更子さん(22)は 「学生生活の最後に、 大きなプロジェクトに携われるとは思っていなかった。 少しでも訪れた人の印象に残るおもてなしができれば」 と話している。

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