松林の再生保存へ交流 全国の団体、和歌山に集う


「奇跡の一本松」や高田松原の今について話す鈴木さん

 全国各地で松林の再生や保存に取り組む人らが年1回集う 「白砂青松再生の会」 (京都府、 小川眞会長) 第7回大会が2、 3日両日、 和歌山市で開かれた。 同市で活動する 「水軒の浜に松を植える会」 (豊田善之会長) が担当した和歌山大会で、 全国から参加した37人と植える会メンバー約20人が報告や学習会、 水軒の浜見学などで交流した。

 岩手県陸前高田市から訪れた 「高田松原を守る会」 の鈴木善久会長は、 7万本の松と白い砂浜が続く東日本大震災以前の風景と、 津波によりがれきに覆われた街、 地盤沈下により海に沈んだ砂浜、 たった一本残った 「奇跡の一本松」 などを映像で紹介。

 「奇跡の一本松は4度の大津波に耐えたまさに奇跡の一本松。 希望や勇気を与えた復興のシンボルです。 枯死しましたがもうすぐモニュメントになり復活します」 と話した。

 さらに、 一本松から4本の接ぎ木が順調に育っていること、 6、 7年後の再生を目指して松の苗木を育成していることなどを紹介し、 全国からの支援に感謝した。

 また、 石川県能美市の 「高坂・根上町緑を守る会」 の北村共二会長は、 7年前には1000本も松枯れがあった松林を、 小川会長の指導を受けて再生したことを紹介。 神奈川県大磯町や宮城県名取市などの活動報告もあった。

 菌根菌と炭による樹木の活性化研究の第一人者である小川会長は、 松露 (しょうろ、 キノコの一種) と一緒の松は枯れないこと▽横ではなく下に深く伸びた直根 (ちょっこん) を持つ松は津波にも強いこと▽そのためには手入れが必要なことなどを指摘。

 「昔はそういう知恵があった」 とし、 最近印象に残った言葉の一つとして、 マルチン・ルターの 「たとえ明日世界が終わろうとも、 私はきょうリンゴの木を植える」 を紹介した。

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