午後11時ごろ大勢判明 和歌山市長選


 

 和歌山市長選と市議補選(欠員2)は10日、投開票を迎える。前回の市長選は投票率が過去最低の36・45%を記録。今回は新人6人の戦いとなり、新市長誕生への関心の高まりから投票率アップが期待されてきたが、台風11号接近の影響により、市選管が選挙看板を全て撤去する異例の選挙戦になるなど、投票当日の悪天候による投票率低下も心配される。

【市長選】
昨年11月に大橋建一市長が突然の4選不出馬を表明したことで、大きく動き出した市長選。まちなかの空洞化や人口減など、さまざま課題を抱える市の立て直しを目指し、新人6人が名乗りを上げた。各候補のこれまでの動きを振り返る(届け出順)。

尾花正啓候補は昨年12月、県職員を辞職し出馬表明。自公民3党の推薦を受け、総力戦で戦い抜いた。県民文化会館などの大規模集会では常に2000人以上を動員し、組織に支えられてきた。8日には、片山さつき参院議員が応援に駆け付け、選挙終盤のてこ入れで大量得票を狙う。

中津孝司候補は、ことし6月に出馬表明。6候補の中で最も表明が出遅れたが、共産の推薦や、推計加入者2万人の「活気ある住みよい和歌山市をつくる会」の支持を受け、政府与党の閣議決定で反発が高まる集団的自衛権行使容認の反対を前面に打ち出し、有権者に広く支持を訴えた。

遠藤富士雄候補は、昨年11月に出馬表明。「和歌山市は変わる」を合言葉にして、前に突き進んできた。支持を広げ、赤い文字のPR看板は市内のあちこちで見掛けるほどになった。後援会は終盤へと結束を強め、出陣式には6候補の中で一番多い2000人(陣営発表)が集まった。

小早川正和候補は、6月には立候補の決意を固めた。地元で生まれ育った商売人として、市長候補に名乗りを上げた。防災やまちづくりなどに「次々にアイデアが浮かぶ」と独創的な政策を提案。市民には「なぜ自分が市長選に出なければならないかを考えてほしい」と問題提起した。

浜田真輔候補は昨年12月に出馬表明。約10年間政治から離れていたが「40万人都市を復活させ市のにぎわいを取り戻す」と目標を掲げ、再び政治の世界に舞い戻った。終盤には、ホテルアバローム紀の国や北コミセンで集会を行い、市を元気にしたいという情熱を最後まで伝えた。

芝本和己候補は、ことし5月に出馬表明。市議3期の実績はあるが、市長選は初挑戦。若い陣営スタッフと共に、地盤の河北地区や子育て世代を中心に着実に支持を広げてきた。キャッチコピーの「若い風」や「リフレッシュ」を掲げ、若い新リーダー誕生を目指して活動を続ける。

【市議補選】
市議補選も10日に投開票が行われる。前哨戦では関心は低いと見られたが、終盤には各候補も手応えを感じるようになってきた。一方で、通常の市議選と違い市内全域での票集めが必要なことから、各陣営は「雲をつかむような選挙」と不安を募らせた。

また、自民推薦3人と共産公認1人という自民対共産の構図で混戦。最後まで票読みが難しい選挙になっている。

各候補の動きは次の通り(届け出順)。

小松孝雄候補は、直川や有功の連合自治会から推薦を受けるとともに、元市福祉局長のキャリアを生かし、福祉関係事業所などの票を固めてきた。

中谷謙二候補は、自民県連の「木国政経塾」1期生として、政界入りを目指す。大きな組織はないが、地元同級生などの応援などで支持を広げる。

村上明壽候補は、現役理容師として、県の理容系各組合からの推薦も受け、選挙戦を展開。また、唯一の市南部拠点の候補として支持を拡大する。

中村朝人候補は、今回の候補で最も若い。共産票は1万5000票程度あるとみられ、選挙戦により他候補との差がどうなっているか注目される。

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