経塚に込めた願い 風土記の丘で出土品展
和歌山県和歌山市岩橋の県立紀伊風土記の丘の資料館で3月14日まで、「奈良国立博物館所蔵品里帰り展 経塚(きょうづか)に願いを込めて」がスポット展示として開かれている。
自然災害や飢饉(ききん)、動乱が続いた平安~鎌倉時代、この世の終わりを説く末法思想が流行。人々は釈迦が再来する56億7千万年後まで経典を大切に保管しようと仏教の経典を書写し、巻物として地中に埋納した。その場所を経塚といい、県内では約40カ所で確認されている。
今回は里帰り展として、県内初展示の伝白浜経塚出土品など、県内の経塚から出土した12点を含む計22点を展示。
同館の瀬谷今日子主査学芸員(41)は、「1000年前の人々が埋めたタイムカプセルともいえる経塚出土品の美しさや価値はもちろん、コロナ禍で不安定な今だからこそ、未来に思いを託した当時の人々の思想や願いと重なる部分が見えてくるのでは」と笑顔でPRする。
入館料が必要(一般190円、大学生90円※高校生以下、65歳以上無料)。午前9時~午後4時半(入館は4時)。月曜休館。問い合わせは同館(℡073・471・6123)。
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