和歌祭の歴史知って 和大で四百年特別展

5月15日に開かれる「和歌祭」を前に、和歌山大学(和歌山市栄谷、伊東千尋学長)紀州経済史文化史研究所展示室で特別展「和歌祭四百年式年大祭―御神忌と大祭―」が始まった。

13日はオープニングイベントとして、同研究所の𠮷村旭輝准教授(43)をはじめ、紀州藩御船方ゆかりの「御船歌(おふなうた)」をうたい継ぐ有志団体「唐舩御船歌連中」のメンバー6人が「長唄」の「あめふり」を披露した。

この歌は、紀州藩の水軍にあたる人たちがかつて船をこぎながらうたっていたもの。御船歌は1980年に継承者とともに途絶えてしまったが、2009年に県の調査で音源が見つかり、𠮷村准教授らによって翌年、30年ぶりに復興を果たした。

イベントには、絵巻やびょうぶを基に再現された南蛮風の唐人装束を身にまとった8人の留学生も登場。約350年ぶりに17年の和歌祭で復活した「唐人行列」にことしも参加予定で、この日は新調した2着もお披露目された。

𠮷村准教授は「400周年となることしは大きな節目の一つだが、和歌祭は来年も再来年も続いていく」と話し、「コロナ禍で途絶えていた学生の参加を促し、来年以降につなげていきたい」と意気込んでいる。

同展では、留学生らが着用していた装束をはじめ、戦後に新調されたと考えられる獅子頭や、明治後期から大正初期に制作された和歌祭の絵はがきなど貴重な資料を約60点展示。1935年の同祭の様子も上映されており、展示物だけでなく映像からも学べる。

吉村准教授は「戦後、祭礼がイベントに近くなっていった和歌祭の経緯や歴史を知ってもらえれば」と来場を呼び掛けている。

展示は6月3日まで。開館時間は午前10時半から午後4時まで。休館日は土・日曜と祝日、図書館の閉館日。

来場を呼び掛ける吉村准教授

来場を呼び掛ける𠮷村准教授

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