智弁8大会連続V 高校野球近畿大会県予選

春季近畿地区高校野球大会県予選の決勝と3位決定戦が8日、和歌山市毛見の県営紀三井寺公園野球場で行われた。決勝は智弁和歌山が和歌山商との激戦を制して4―3で辛くも優勝を決めた。2年連続(8大会連続)15回目の優勝。3位決定戦では市和歌山が日高に6―0と完封で勝利し、55年ぶり2回目の春季近畿大会出場権を得た。

◇決勝

和歌山商
智弁和歌山 ×

〔和〕木村、福本―竹本〔智〕濵口、橘本、川、西野―渡部▽本塁打=渡部(智)▽三塁打=細田2(和)▽二塁打=細田、塙(和)山口、中西(智)

昨年夏の王者智弁が大技小技で加点して、優勝を飾った。序盤は和歌山商の1年生サブマリン、木村健太郎に翻弄(ほんろう)され、打ち損じが目立った。

地面につきそうな位置からボールを投げ、打者の懐で浮き上がる球に攻略の糸口をつかめずにいたが、4回裏に突破口が開かれた。1死二、三塁の場面で4回まで粘りの投球を見せた濵口凌輔に代わって沖寛太が打席に立った。「木村投手の間合いの取り方や癖をチーム内で共有して、イメージを固めてから打席に向かった」と話すように、しっかり右前適時打を放ち、先制点を奪うことに成功。木村はこの回で降板した。

1点リードで迎えた5回裏、1番山口滉起が中堅の頭を越える二塁打で出塁し、1死二塁で渡部海が左翼に2点本塁打を放った。渡部は「風にうまく乗り、ギリギリにスタンドへ入ってくれました」と話し、「チームにとっては大きな一発だった」と笑顔だった。

8回裏終了時で4―1とリードし、逃げ切りを図りたい智弁だったが、試練が最終回に訪れる。谷野航平と細田翔也に適時打を浴び1点差まで詰め寄られたが、最後の打者を三ゴロに打ち取り勝利を収めた。

試合後、中谷仁監督は、武元一輝に続く投手がいないことにふれ、「先制点の好機がなければ、先発の濵口をもう少し長い投球回を投げさせても良かったかもしれない」と期待ものぞかせた。


◇3位決定戦

市和歌山
日高

〔市〕米田―松村〔日〕山﨑、中田、鈴木、木村―木村、桐本▽二塁打=森、藤原(市)

7日の準決勝で智弁に2―4で敗れた市和歌山は、日高と対戦。智弁戦で登板機会がなかった米田天翼(つばさ)が、9回103球0完封で堂々の投球を見せた。試合後の談話では「ストレートに威力がなかったので、変化球で打ち取ることにより球数を減らすことができた」と冷静に自身を振り返った。

打線は、3回表に好調の寺田椋太郎が左犠飛で先制。5回表には代打熊本和真が走者一掃の中前適時打と中堅の失策で一挙に3点を追加して試合を優位に進めた。半田真一監督は「チーム全体が暗い雰囲気だったので、2年生の熊本に託した」と話し、熊本も「チームの雰囲気を変えてやるという気持ちで打った」と期待に応えた。

8回表にも、松村祥吾の中前適時打で駄目押しの2点を挙げ、近畿大会の残り1枠を手に入れた。

春の近畿大会は21日に同球場で開幕。県からは、智弁和歌山、和歌山商、市和歌山の3校が出場する。

優勝旗を受け取る智弁の岡西佑弥主将

優勝旗を受け取る智弁の岡西佑弥主将

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